ブラジルの酒「カシャッサ」 2 「カシャシエ」誕生の日も遠くない!?
2012.09.30 up
2012年9月4日から9日までサンパウロ市立市場で開催されたカシャッサ展示会
ポルトガル人カブラルによるブラジル発見500年を迎えた2000年以降、より見直されてきたブラジル文化の一つがカシャッサです。カシャッサはサトウキビから作られる蒸留酒です。
ここ10年くらいの間に、公的な場所でカシャッサの展示会やコンテストが毎年開催されています。
ブラジルで著名な雑誌「プレイボーイ」や「VIP」などが主催するカシャッサ・コンテストのランキングも各誌面で発表され、カシャッサにより注目が集められています。
サンパウロ市立市場で開催されたカシャッサ展示会
2012年9月4日から9日までは、サンパウロ市の市立市場でカシャッサの展示会「エキスポ・カシャッサ(ExpoCachaça Dose Dupla)」が開催されていました。
この展示会は1998年からカシャッサの名産地であるミナスジェライス州で開催されている、ブラジルで重要な見本市の一つです。今回はサンパウロ・バージョンの展示会でした。
50ほどの生産者が展示会に参加し、通路には各生産者のブースやキオスクが立ち並び、無料で試飲したり、店頭よりも割安で購入できるという企画でした。
行きかうお客さんが次々と試飲する様子が見られ、特別室ではカシャッサに関する講義なども開かれていました。
雑誌『VIP』2012年9月号の誌面で発表された優良カシャッサ・ランキングのページ。トップ3に入賞したWEBER HAUS(右)とCANARINHA(左)。
カシャッサの普及に努め、講義や試飲会を開くなど幅広く活動しているカシャッサの卸売り会社『ソルーション』は、レストランとの共催で、2012年10月8日、15日、22日の3日に分けて3時間ずつカシャッサの授業を行います。
『ソルーション』によるこの企画は今回が初めてということで、カシャッサの歴史や文化から製造法、料理との相性、市場での可能性など、各専門家を招いて、幅広い視点からカシャッサを学ぶことができます。授業料は350レアル(約15000円)です。今回の授業の定員は30名で、主な参加者は飲食業の関係者ということです。
「授業を終えて試験に受かったらカシャッサの免許皆伝はあるのですか?」
と主催者側に尋ねたところ、
「今はまだ、ワインのソムリエのような公のカシャッサ専門家の制度は確立していません」
ということでした。
既に専門家といえるような存在の方もいるようで、ワインのソムリエならぬ「カシャシエ」とか「カシャシスト」「ソムリエ・ダ・カシャッサ」という呼称も考えられているそうです。
カシャッサの卸売り会社とレストランが共催で開く授業の案内。
ブラジルでは、ビールに次いで2番目に消費量の多いアルコール飲料がカシャッサです。
暑い日にはよく冷えたビールにはかないませんが、ブラジル史ではビールよりも先に登場するカシャッサは、今も根強い人気です。
「カシャシエ」が登場する日も決して絵空事ではないくらい、上質でバラエティー豊かなカシャッサがブラジルの大地に根付いています。
ブラジルでは、同じサトウキビから作られて世界的に知名度の高いラム酒よりも、「断然カシャッサ!」と言う声が聞かれます。
サンパウロ市立市場で開催されたカシャッサ展示会で展示されたカシャッサを製造する蒸留器
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