空き待ちは長くて2、3年。母親の就労状況は問わない公立保育園
2013.03.24 up
サンパウロ市内の公立保育園の一つで張り出されている入園待ちの番号リスト
サンパウロ市内には市の公立保育園が地域ごとに身近にあります。保育園の事はクレッシェと言われます。
サンパウロ市の公立保育園の授業料は、税金でまかなわれるため無料です。午前7時か8時に登園し、午後4時半には帰宅します。
サンパウロ市内の公立保育園で張り出された入園待ちの番号リスト(一歳まで)
市民に認識されているサンパウロ市の公立保育園の特徴は、ざっと次のようなことが挙げられます。
1.
0歳児から満4歳児を預かってもらえる園もあれば、満2歳児から満4歳児を預かってもらえる園など様々。
2.
サンパウロ市が認可して運営されている公立保育園とはいっても、各園ごとに個々の支援団体(企業や慈善団体など)があり、運営費の割合は、市よりも支援団体が上回っていることもある。
支援団体の特色により、園の特色も違いがあり、支援者側の経済状況により、受けられるサービスも違いがある(子供たちがもらえるプレゼントの中身程度の話ですが)。
3.
0歳から2歳までの子どもを預かってもらえる空きは少ないので、1歳や2歳で入園したいと思っている場合でも、生まれてすぐに入園希望の登録をする人が珍しくない。生まれてすぐ入園希望の登録をしても、希望する園に入園できるのは、2年から3年後という事もある。
4.
入園希望や入園の手続きをする際、母親が働いているか働いていないかは、職業を記入する欄はあっても、取り立てて重視されない。
5.
保育園でも4歳児クラスになれば、幼稚園で行われる教育内容に近い活動も行われている印象がある。
あるサンパウロ市内の公立保育園の風景
公立保育所には、常時、入園申し込み手続きをした人の登録番号と、入園できるまでの順番を示す番号表が張り出されています。待ち状況はインターネットでも確認できます。
張り紙を見てみると、入園待ちの子どもの人数は0歳児ほど多く、年齢が上がるにつれて少なくなります。2011年末には、サンパウロ市内の一つの地区内で、さらに通園を許可される地域ごとに区分されたある一つの管区内で、入園待ちの人数が0歳では194人、4歳では89人待ちとなっている管区がありました。この人数は一般的な公立保育園の入園待ち状況の傾向と思われます。
入園は自宅に近い園が最優先にされますが、空きがある場合は、自宅からは多少遠くても、「通園範囲内と認められている別の園に入学できる」という行政(及び園)からの連絡を受ける場合があります。
近ければ、徒歩5分圏内の保育園に入園できますが、自宅近くの保育園に空きがない場合は、市バスを乗り継いで1時間以上もかけて登園するような事もあります。後者のケースは、自家用車や有料のスクールバスで登園することになる場合がほとんどです。
希望する場所の公立保育園に子どもを入園できない場合や、とにかくすぐに保育園に入園させたいというような場合は、結局、保護者は私立の保育園に通わせる事やベビーシッターを自宅で雇う事を選択することになります。そうすると、1か月の給料が飛んで行ってしまうような人も出てきます。
多少遠くても、子どもを公立保育園に入園させることを希望する保護者は数多くいます。そのため、政治家の中には選挙の際の公約で保育園の増設を掲げる人もおり、それで票を伸ばすチャンスがあるとも耳にしたことがあります。
サンパウロ市の公立保育園の入園説明会
サンパウロ市の公立保育園のイベント「フェスタ・ジュニーナ」の一コマ
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