ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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トイレ用シャワーの設置された個人の家のトイレ

トイレ用シャワーの設置された個人の家のトイレ

 ブラジルで様々なご家庭や事務所を訪問させていただいた時、洗浄便座が設置されていることは少ないです。
 
 ブラジル製の洗浄機兼ビデを見かけたことがあるのは、ブラジルで暮らす日本人のご家庭です。他に、韓国系の企業が韓国より高品質の温水洗浄便座を販売しているのを見かけたことがありますが、洗浄便座はブラジル人家庭一般への普及率はまだまだといった印象です。

 洗浄便座の普及率が低い理由は様々に考えられますが、ブラジルのトイレを見ていると、洗浄便座よりも使い勝手がいいかもしれないと思うものがあります。

 それは、便器の横に取り付けられているシャワーです。

 どこの家庭でもと言うわけではありませんが、便器の横にシャワーが設置されているトイレがあります。決してお風呂用ではありません。このシャワーが洗浄便座と同じ役割を果たします。

 考えてみると、地球上全ての人種が暮らしていると思われるブラジルの人々は、本当に体型が人によって様々です。便器の型や大きさも水が流れる構造も多種類です。1種類か2種類の型の洗浄便座では、人のお尻にも便器にも対応しにくい可能性があります。

 結果、自分の手で自由自在に調整可能なお尻用シャワーの方が手っ取り早いという事になります。便器の掃除も簡単にできます。
 
 さらに、ブラジルのトイレや風呂掃除の仕方は、徹底して上から下まで洗剤をつけ、全て水で洗い流してしまいます(最後に水は水かきで排水口に流し込み、残った水は雑巾で拭きます)。掃除後はとても清潔感がありますが、このやり方では、電気機器は水が入り込んで故障しかねません。

 トイレ用シャワーは誰が思いついたのかは分かりません。個人の家以外では、サンパウロ市内にあるメスキータ(イスラム寺院)の一つで、公共トイレに全室シャワーが設置されているのを見かけたことがあります。中東のアラブ人移民の多いブラジルなので、もしかすると中東辺りにトイレ用シャワーの起源があるのかもしれません。

 ブラジルは家を買った後、全ての内装を自分の好みで業者に頼んで作ってもらうのが一般的です。トイレ用シャワーも頼めば工事して簡単に設置してもらえます。






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