ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に写真で紹介されている大航海時代に求められた香辛料の一部。左からショウガ、シナモン、クローヴ、黒コショウ

ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に写真で紹介されている大航海時代に求められた香辛料の一部。左からショウガ、シナモン、クローヴ、黒コショウ

 インディオの時代を除けば、ブラジル史は1500年4月22日にポルトガル人のカブラルがブラジルに到着したことが出発点です。その直前のコロンブスが新大陸を発見した話、そして、ヨーロッパ人が当時貴重だった香辛料を求めて航海したことは、ブラジルでは小学生から常識として教えられています。

 香辛料も黒コショウだけではありません。シナモン、クローヴ、ショウガなども黒コショウと同じくらい求められた香辛料として教わっています。アニス、ナツメグ、マスタードなど、和食ではなじみの薄い香辛料も熱帯アジアなどが原産地であることを含めて授業中に紹介されています。


ブラジルの小学校五年生が学ぶ大航海時代に求められた香辛料とその原産地が記された表

ブラジルの小学校五年生が学ぶ大航海時代に求められた香辛料とその原産地が記された表

 過去約500年に渡って、ブラジル、サンパウロを発展させてきた「人」といえば「移民」です。ブラジル社会は世界からの「移民」を抜きに語ることはできません。
 
 我が家の子供がサンパウロの学校で教わる「社会」や「歴史」の教育を観察していると、小学校3年生くらいから、子どもたちは学校で「世界からブラジルに来た身近な人々」という形で、とにかくいろんな人や文化があるという事を教わり始めていました。事実、サンパウロの実生活では、色んなルーツの人が共存しています。

 本格的にいわゆる「歴史」を学び始めたのは5年生になってからです。インディオの時代は表舞台の歴史から除外するとして、ブラジル史は日本でいう「大航海時代以降の世界史」という事になります。ヨーロッパ人が香辛料を求めたことでブラジルにもたどり着いたことや、それに続いてアフリカ大陸の人々を奴隷としてアメリカ大陸に連れてきたことも、今日のブラジルを知る上では欠かすことのできない過去の歴史として紹介されています。

 細かいことは分からなくても、ブラジル史はブラジルという一国のみで考えられる時代は皆無に等しいということが、小学生の時から分かるようなブラジルの歴史教育の指導方針に見えます。


ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に掲載されたカブラルの航路

ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に掲載されたカブラルの航路


ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に掲載されたアフリカからブラジルに渡って来た人を表す図

ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に掲載されたアフリカからブラジルに渡って来た人を表す図


ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に掲載されたブラジルに暮らす様々なルーツの人を紹介する写真

ブラジルの小学校三年生の歴史教科書に掲載されたブラジルに暮らす様々なルーツの人を紹介する写真


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