イタリア

イタリア:ローマ

菅谷 桂子(すがや けいこ)

職業…主婦
居住都市…ローマ(イタリア)

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暴動翌朝の20日、損害を受けたバルカッチャの噴水に献花

暴動翌朝の20日、損害を受けたバルカッチャの噴水に献花

2月19日ローマでヨーロッパリーグ「ASローマ対フェイエノールト」のサッカー試合が行われました。
アウェーのローマで、オランダのロッテルダムを本拠地とするフェイエノールトをサポートするフーリガン達は、まず試合前日夕方にローマ市内のカンポ・デ・フィオーリに集結。酔っぱらい暴れて逮捕者が出ました。翌日、試合前の午後スペイン広場に集結。爆竹の爆音と共に緑色の煙幕の中で暴れる姿が、テレビのニュースで何度も流れました。
暴動後のスペイン広場階下の1629年ベルニーニ作のバルカッチャの噴水には、瓶やガラスの破片が浮かび、周辺の石畳はゴミだらけの様子は悲惨なものでした。


スペイン広場階下にある水が抜かれたバルカッチャの噴水

スペイン広場階下にある水が抜かれたバルカッチャの噴水

商業連盟が発表した被害総額は推定300万ユーロ(約4億円)。昨年9月に11か月かけて修復されたばかりのバルカッチャの噴水の燭台の一部破損、市バス15台も破壊されました。


噴水内での専門家たちの検証風景

噴水内での専門家たちの検証風景

試合自体は無事終了しましたが、イタリア政府の内務省やローマ市などの行政の事件に対する不適応な対応が問われ、今後の対応が検討される中、「モニュメントへの修復、暴動後の時間外特別清掃賃金、警官の怪我手当など、被害総額を誰が払うのか?」。いつものことながら「ローマ市民の税金で賄われるのか?国は?被害を起こした者が払うべきでないか?」と人々の関心を引いています。
「暴動に対して遺憾ではあるが、被害総額を支払う気は一切ない。犯人の究明に協力する。」と、オランダ政府は声明しました。
「チームのサポーター管理に問題があり、チームが賠償すべき」という人々の意見もあります。サッカー場内で起きた暴動に関してはチームに責任を問えても、会場外での暴動に対しては責任を問えないのでしょうか?
過激なサポーター“フーリガン”の存在を知りながらも、受入対応のできなかったイタリア側の手落ちだけで処理していいことでしょうか?サッカー連盟はこの事件に対して無力なのでしょうか?


2/20付け「Il Messaggero」紙の一面記事

2/20付け「Il Messaggero」紙の一面記事

現在ISテロ問題で、連日のように発信される恐ろしいビデオメッセージは、人々に潜在的な恐怖心を植え付けています。ローマでのフーリガンによる暴動は、テロではなくとも、現実的に身近で起きた過激な集団による恐ろしい事件でした。


2/20付け「Il Messaggero」紙内のフーリガン暴動記事

2/20付け「Il Messaggero」紙内のフーリガン暴動記事

26日に、フィレンツェでは同じくヨーロッパリーグ「フィオレンティーノ対英国トッテナム」の試合があり特別警戒体制がしかれています。同時に、今回の事件のホーム試合第二戦がオランダのロッテルダムで行われ、ローマのサポーター2400人近くが同地に向かいました。ローマファンの仕返しがあるのではと懸念されてもいますが、今回の暴動の象徴バルカッチャ噴水の写真と意味深なメッセージがプリントされた黒いTシャツをオランダチームのファンがFBで公表し、悪戯心でローマファンを挑発する態度も許されません。集団による暴力はより恐ろしく、無事何事もなく健全なるスポーツ精神に基づき試合が行われることを願います。


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