ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ市内でコッシーニャをメンイに販売する『ラガッツォ』

サンパウロ市内でコッシーニャをメンイに販売する『ラガッツォ』

 平均すると月単位で、値札を見れば誰の目にもインフレが進行し続けているサンパウロ。
 
 例えば、15年前にはメトロの料金は全線一律1.4レアルほどだったのが今は3.8レアル。ざっと2.7倍。このような値上がりは食料や住居費、外食料にも当てはまります。

 銀行預金の利子もそれなりについてきますが、生活費の値上がり率に比べれば大したことはないと言えます。

 もうすぐリオオリンピックとはいえ、歓迎しているブラジルの一般庶民に出会うことはほぼありません。

 そんな社会状況にあって、割安感が感じられればお客さんが集まるのは古今東西どこでも同じです。
 
 今、ホットな行列のできている飲食店が、国民食であるコッシーニャとソフトクリームのみを割安価格で前面に押し出した『ラガッツォ(Ragazzo)』です。


『ラガッツォ』のコッシーニャのメニュー

『ラガッツォ』のコッシーニャのメニュー

 『ラガッツォ(Ragazzo)』は本来、パスタやフライドチキンを挟んだようなイタリア風のファーストフードチェーン店です。それが今、小規模のカウンタースペースのみでコッシーニャとソフトクリームに絞ってメトロの駅近くで営業するようになっています。急速に店舗が増えました。

コッシーニャはブラジル人が軽食やおつまみで食べる揚げ物です。鶏の脚をイメージした形で、中に鶏のささみを包んでいます。

 割安感の理由はコッシーニャの価格と味にあります。月曜から水曜は鶏肉とカトゥピリ(クリーム状のチーズ)、木曜から日曜は4種類のチーズを包んだコッシーニャが2個で2レアルから2.2レアル(57~62円)。

 コッシーニャは一般のサイズに比べて小ぶりですが味の満足度が高いように調味されており、普通、1個が4レアル(約114円)くらいの現状からすると非常にお得感があります。ソフトクリームやブラジル人のおなじみのケーキのデザートも他店の価格からすると安いと感じられる設定です。


『ラガッツォ』のコッシーニャ(4種類のチーズ)

『ラガッツォ』のコッシーニャ(4種類のチーズ)

 座る席がないにも関わらず、お客さんがあまり途切れず、サンパウロで今ホットスポットとなっているコッシーニャが主力の『ラガッツォ』。

 インフレだ不景気だと言われても、どこの世界にも商売繁盛しているところがあるものだと思い知らされます。


『ラガッツォ』の店頭

『ラガッツォ』の店頭



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