ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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高校受験の試験会場前

高校受験の試験会場前

 ブラジルでは11月から12月にかけ、大学や高校入試が本格化します。

 一般的な学校は、通常1月から12月までを1学年とするため、入試は11月、12月に行われ、12月から1月に試験結果が発表されます。その後、入学手続きが行われ、2月頃から授業がスタートします。

 特定の学校の入試とはいえ、多くの応募者に対応するため、試験会場は各地の私立学校や公立学校が試験会場に指定されます。

 その試験会場の入り口付近では、「人の集まる所、もうけ時!」ということで、試験前には軽食や駄菓子、試験に必要な文房具を販売する人が現れます。


試験会場前で販売される黒ボールペンや鉛筆、消しゴム、駄菓子類

試験会場前で販売される黒ボールペンや鉛筆、消しゴム、駄菓子類

 今年、ある試験会場までの道のりで、突然、右に左にと貼り付けられた紙がありました。そこには「試験には黒ペンが2本必要」と記されていました。

 学校が作成した試験案内では、黒ペンか青ペンでよいとの指示があり、実際、試験会場でも監督官から同じ指示が出されたそうです。紙を貼ったのは学校関係者ではなく、あくまでも黒ボールペンを販売することに熱心な人です。

 答案はマークシート方式のため、確かに黒ペンの方が確実にデータが読み取れますが、ブラジルでは、試験でも必要書類でも日常的に圧倒的に青ボールペンが使用されます。黒ボールペンはあまり使用しないため、突然このような貼り紙があれば不安にかられます。実際、試験会場前では緊急に普通よりも割高な1本2レアル(約70円)の黒ボールペンを購入する受験者が目立ちました。

 臨時の合格祈願のお守りのようなものと捉えることができればよいですが、受験者たちが試験会場に入った後は、速やかに貼り紙は取り除かれました。


試験会場付近に貼り付けられた「試験には黒ペンが2本必要」の紙

試験会場付近に貼り付けられた「試験には黒ペンが2本必要」の紙

 受験シーズン到来で、ブラジルでは受験者もその保護者も突然の新しい情報に振り回されることがあります。

 来年度から入学となるブラジルの国立高校の受験では、今期は試験はなくなり、学校の成績を添付するだけとなりました。サンパウロの州立高校では受験日が大幅に遅れ、通常の12月から1月後半に変更されました。

 情報が入り乱れ、百聞は一見に如かずのブラジル。人によって言う事も違えば、去年や昨日のルールはいとも容易に変化するということを、受験というフィルターを通しても教えられます。


試験会場前で大きく「黒ボールペン2レアル」と紙がつるされた即売所

試験会場前で大きく「黒ボールペン2レアル」と紙がつるされた即売所



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