台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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開始時は少なめ

開始時は少なめ

 日本では、2020年に小学校高学年の英語科目が必修になると聞きました。台湾は確認していないので定かではありませんが、話を聞いている限り、教育熱心な家庭では小学校進学前から子どもに習わせている方も多くいます。

 どちらも、「英語の教育熱は高まるばかり」といった感じでしょうか。

 ただ、話を聞いていると、どちらも「机の上の勉強で、文法と英文読解には強いものの、英語を使った会話や意見を言う力が弱い」という声も多く聞かれます。

 解決法の一つとして、台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)が6年前から行っている「イングリッシュコーナー(English Corner)」という取り組みの様子を見てきました。
 以下、紹介していきます。


最高で10、11人が参加

最高で10、11人が参加

 イングリッシュコーナーは、毎週木曜日のお昼休みの時間に、外部の英語教室から教師を呼び、英語による会話力、コミュニケーション力向上を目的にした補習授業の位置付けで行われているものです。
 
 授業の定員は20人。応募者多数の場合は抽選で決めます。授業料は無料ですが、夏季に使用するクーラーの電気代として一人50元ずつ支払っています。

 講師の交通費などの必要経費は、学校が設立している基金会で賄っていることもあり、参加者は経済的事情で就学困難にある家庭の生徒が優先されているのも特徴です。
 
 定員は20人ですが、私が見に行った11月の3週間で出席者は10、11人。12月12日の学園祭の準備などで、生徒自身が忙しい状況にあるので、出席率は半分程度でしたが、そこは無料ということもあり、「仕方がない」という感じでした。

 授業は、カナダ人教師のスコット・マクルントッシュ(Scott Mclntosh)さんが全部英語で行います。

 内容は、最初の10分程度で時事の話題(例:クリスマス、サンクスギビングデーなど)で先生と生徒が簡単な会話を行い、その後ウオームアップで生徒同士で英単語当てゲームやカードに書かれているテーマで話を行い、笑顔で話せる雰囲気をつくっていきました。

 それから、メインの授業に入ります。
 内容、方法は毎回変えていて、ある回では国際政治をテーマに意見を述べ合い、ある回ではタブレットPCを使って象牙の密輸ドキュメントの動画を見せ、単語の紹介と説明を行いながら感想を話してもらう、といった感じの授業を行っていました。

 授業後、講師のスコットさんに話を伺ったら、「生徒たちが英語で話す感覚を養い、自分の意見、考えを堂々と話せるようになること」を主眼に置き、そこを刺激するようなテーマ、教材を準備している、ということでした。

 また、スコットさんは、8:10~17:10に授業を行い、英語も机の上の学習が中心になり、偏っている感じに見える台湾の高校生の現状を心配し、「自分の力で、英語でしっかり自分の意見を言えるようになってくれれば」と、6年続けているEnglish Cornerだけでなく英語教育への思いも語ってくれました。

 小学生、中学生、高校生では事情が違うと思いますが、今後このような取り組みが英語教育の一助になるでしょうか。





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