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耳も心も痛くなった体験発表会
2018.10.11 up
説明会の貼り紙
以前、日本留学展の様子を紹介しましたが、今の台湾で「日本留学」は身近なものになってきているようで、短期の語学留学を含め、日本を目指す方は増えているように思います。
そんな中、台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)で、卒業生による日本台湾交流協会(他国の大使館、領事館に相当。以下、交流協会)の奨学金(学部生対象)生の試験に関する体験発表が9月19日の昼休みの時間に行われました。
最初は少なく…
この体験発表は、今年6月に北一女を卒業した先輩が、楊世瑞校長の要請を受け、日本渡航前に実現したものです。先輩の方も、渡航を1週間後に控え、準備で多忙なところを「後輩たちのために」と、6月1日の卒業式以来、母校へ戻る決心をしたそうです。
最初は、自己紹介に始まり、奨学金の説明や日本の大学の事情に関する説明を行っていきました。
途中から参加者が増え…
参加者も最初は4人でしたが、途中からどんどん生徒が入ってきて、最後は19人まで増えました。
ただ、ここまで増えるとは、先輩の方も企画した輔導室(注:日本の進路指導室に相当)も予想していなかったようで、用意した資料が足りなくなり、「後で渡します」という展開になりました。
終了後も熱心に質問をする参加者の姿も
体験発表は、途中から奨学金生の採用試験に関する準備の説明を行い、試験ではどのような準備をするか、2次試験の面接はどのような形で行われ、日本語力がどの程度必要かといった踏み込んだところまで説明がありました。
そして、説明時に先輩の方が強調していたのが、「交流協会の奨学金は、日本の国民の皆さんが納めた税金によって賄われている」ということ。それ故、「試験も非常に難しく、審査も厳しく行われるので、軽い気持ちで受験するのは慎んでもらいたい」と話していました。
日本にいた頃、自身が納めた税金に対して、ここまで真剣に思いを寄せたことはなく、またその使い途に関しても、無頓着だったように思います。
また、高校を卒業したばかりの18歳の台湾人の方が、真剣に異国の税金のことを考え、「軽い気持ちでは受験はおろか奨学金も受け取れない」と話すとは思ってもいなかったので、恥ずかしい気持ちになりました。
このような税金の使い途について、日本人の中でもいろいろ思うところがあるかとは思いますが、この体験発表会で聞いた税金に対する姿勢は、日本人である私の方が、教えられたことが多いように思いました。
先輩の方は、最後に「日本と台湾の懸け橋になりたいです」と話していましたが、税金に思いを寄せる一言で、その役割を十分果たしているだけでなく、私自身、聞いていて耳も心も痛くなる体験発表会でした。
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