目に見える格差@超高級住宅地 2
2018.10.19 up
ここは公園ではなく、この住宅地の中の緑地帯。ゆとりを感じます
この超高級住宅地は自治区のようにして完全に生活がケアされています。ごみの収集車も、市によって回ってくるのではなく、この住宅地の名前を冠した専門の収集車。
緑が豊かな環境ゆえの街路樹管理も、ここの住宅地専門。住民のためだけの葬儀場まであります。当然ながら、竹クラス以下の住宅地や街中に普通に見られる「道路のごみ」なんて一つもありません。
メキシコの一般的な住宅地(竹クラス)では、隣近所との境は全てブロック塀で囲われ、その多くがぴったりと隣同士くっ付いています。敷地同士を塀でくっ付け、その中に各家のガレージや中庭を作り、通気性を保っています。
ですがここは新しく作られた高級住宅地。全てのモデルは隣国お隣の広々とした解放的な住宅地で、まるで別の国に来たよう。
驚くことに、入場に数分かかるこの敷地内にさらに入場制限のゲートがあり、「住宅地の中の特別区」のような箇所もいくつか存在しています。そのゲートは大抵、噴水や壁から水が落ちる滝が設置され、数百年前にメキシコにやって来たアラブ・スペイン文化の「水は豊かさの象徴」がそのまま表されています。一体、どんなVIPがお住まいなのか。
この住宅地専用のごみ回収車
共有地の道路、幅広く設計された遊歩道ではいつもどの時間帯でも、エクササイズする人がいます。彼らはここの居住者。その周りを、何匹もの犬を連れて散歩をする人がいて、でもその人は大抵が雇われの「犬シッター」。
大きな車寄せのある立派な邸宅やガラス張りの車庫には、おなじみのヨーロッパの超高級車や、メキシコでは高級車扱いのトヨタ、ホンダの車が並びます。
確かに、入場ゲートでも「居住者専用レーン」をすーっと入って行く車の多くはこの類。車を見れば、居住者かその友人かが大体、分かる仕組みです(私が所用で通っているお宅の中には、300万円は軽くする超高級オートバイがコレクションとして鎮座しています)。
この高級住宅地の家々を見て、一般的な住宅地の家と明らかに違う点を見つけました。一般の住宅の窓やガラス戸に設置されている泥棒よけの鉄柵がない、ということ。
窓につけられた鉄柵は犬や猫などは通り抜けられますが、人間は無理で、小さなわが家であっても、全ての窓についているし、中庭の上にも入られないように鉄格子がかけられています。その鉄柵、鉄格子が、この超高級住宅地の家には存在しません。それだけ、入場ゲートで出入りを厳しく管理しているのと、各家々が警備会社に登録をしているという証しです。
私の家周辺(竹クラス)に毎日やって来るアイスクリーム屋さんや、「パン屋さん来たよ~」と歌いながら砂糖たっぷりの一つ5ペソ(30円)を売るパンの移動販売車もここには来ません。来るのは、無音で決まった場所に決まった時間にそっとやって来て、全て個包装された高級パンを積む、高級そうな販売カー。積み荷の商品の大半はオーガニックや健康志向のパンや焼き菓子。売り子さんだって制服をちゃんと来て上品そうにほほ笑んでいます。
黄色の線を境に世界が変わります
航空写真の地図で見ても、壁の中と外とでは住宅の密度も、道路の幅もまるで異なります。
市街地から区切られた騒音のないここでは、流れる時間も空気感も、犬シッターに散歩してもらっている犬の表情さえも、外の「一般的な」住宅地とは異なるのです。
レポーター「龍崎 節子」の最近の記事
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