メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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大きな大理石のバスタブ付き客室は予約停止になりました

大きな大理石のバスタブ付き客室は予約停止になりました

 メキシコの首都メキシコシティの大部分と、そこを中心にした周辺13市町村で、10月31日から5日間も水道管工事による断水が実施されました。完全断水や部分断水、供給制限などの影響を受けた市民はおよそ800万人以上。ざっと考えて、東京都全体が5日間断水になった、と考えてよいでしょう。そんなに大規模な水道工事、なぜ必要だったのか、そして混乱はなかったのか。

 普段から、メキシコでは水道水を「飲用」にすることはほぼありません。加熱調理には使用可能ですが、バクテリアや消毒薬の問題で、日本のように水道をひねって出てくる水をそのままコップで受けてごくごく飲む、ということはしません。大抵20リットル入りのガラフォン(水タンク)で買っているので、断水になっても飲み水に困るということはありません。
 
 ですが、洗濯、シャワー、食器洗いにトイレなど、断水5日間となると相当な準備が必要となります。今回の断水で一番大きな影響を受けるメキシコティの中心地は商業施設やホテルなどが集中し、一般市民だけでなく観光客にも影響が出ます。一応影響が最小限となるように今回の工事は学校や公的機関の休みとなる「死者の日」が含まれる週末となりましたが、最大で5日間ともなると相当の覚悟が必要となります。

 では影響のある地域の住民たちはどう対処したのか。

 当該機関からのお知らせには、断水期間とその区域とともに「前日までにポリバケツなどに水をため、無駄のない使い方を考えて、洗濯などはなるべく期間終了後に行うように。ちなみに、1人1日18リットルあれば生活できます」とだけ簡素に書かれています。給水車も各自治体に普段以上に配備されてはいましたが、大家族となると水不足の深刻さも一層増します。ではそのために購入したバケツなどの費用はどうするのか、特に政府から助成金があるというわけでもありません。

 バスタブのあるホテルなどは経営に直接響いたようです。実際、寝室に大きなバスタブが室内にあるのが売りのホテルでは、この断水期間中は予約受け付けの数を大きく減らし、宿泊客の数自体を減らしてしまう作戦をとったとのことです。バケツ代も出ないのだから、その予約受付中止による予定収益の減少も、政府からの援助、提案は何もありません。






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