台湾 高校バスケHBL 再起への第一歩 その1
2018.02.18 up
試合前の様子
昨年10月から高校バスケHBLの予備予選が始まっていて、2月4日には3月10、11日に台北アリーナで開催される決勝トーナメント進出4チームも決まりました。
過去にも何度か紹介してきましたが、その過程ではいろいろなストーリーがあり、外から見ていて、思わず涙が出そうになることもあります。また、そのあたりは日本の高校生スポーツと変わらないような気がします。
今回から、12月に高雄で行われた女子の予選で見たものを紹介します。
試合中の様子
台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)は、2012年に優勝するなど、HBLでは20年前にエントリーしてから予選敗退がなかったチームでした。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201231818732
しかし、今回は12チーム2グループに分かれて行う予選リーグで1勝4敗と振るわず、 A組5位で最終日の敗者復活戦に回りました。 A組5位のチームは、B組の予選6位のチームと、その後B組の4位と敗者復活戦を行い、2勝しなければなりません。加えて、テレビ中継がある男子2次予選が前日から高雄アリーナで始まったことで、最後の決定戦が高雄中學體育館から高雄アリーナのテレビマッチになったことから、距離は短いです(タクシーで大体20分程度)が、短い休憩時間の間に移動も必要になります。
主力選手に負傷者が目立った北一女にとって、この1日2試合の日程は想像している以上に厳しい道のりです。
タイムアウト時の様子
敗者復活戦の初戦の相手は、B組6位の台中市立忠明高級中學(以下、忠明高中)。3季前からHBLにエントリーし、今回初めて予選に進出してきたチームです。予選は0勝6敗で、実績も経験もある「北一女優位」という周囲の予想は当然と言えば当然でした。
北一女は、午後の試合を見越し、右膝の靭帯(じんたい)を痛めている主力選手の一人をこの試合で休ませました。ただ、試合前の選手たちの様子を見ていても、危機感は全く感じられず、午後の試合に備え「どうやって余力を残して勝とうか」を考えている感じで、緩くてヌルい空気が漂っていました。
交代した2年生の選手に声を掛ける主力選手の一人、游舒涵(左、ヨウ・シューハン)
試合は、周囲が予想していた「北一女が終始、相手の忠明高中を圧倒して」とはならず、忠明高中が序盤3ポイントシュートを3本決め、試合のイニシアチブを握ったこともあり、第2クオーター途中で最大で16点差をつけられる展開になりました。
劣勢に立たされた北一女も反撃し、第3クオーター途中で逆転し、最大7点差をつけますが、終了間際に忠明高中の3ポイントシュートが決まり40-38。予想外だったのか、北一女のベンチには試合開始前のような余裕がなくなっているのが一目で分かる状態でした。
最後まで諦めず、反撃を見せますが…
第4クオーターに入り、北一女は相手の追い上げをしのぐのがやっと。早い段階で逆転を許してからは、2点差のこう着状態が続き、再逆転できそうでできない状態が長く続きました。
残り1分あまりで42ー44。
相手側のサイドラインからのスローインでしたが、3回目のパスで取りこぼしがあり、それを忠明高中がきっちりスチールし、シュートを決められ、そこから点差が広がり、万事休す。北一女は44ー50で敗れ、エントリー以来初の予選敗退が決まりました。
続く。
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