ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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マリンガ大聖堂前の広場で復活祭を前に催された野外演劇

マリンガ大聖堂前の広場で復活祭を前に催された野外演劇

 「すごく立派な演劇だよ!」。パラナ州マリンガ市およびその近郊の人々がもっぱら口にするうわさ。それは、ラテンアメリカ最大の高さを誇るマリンガ大聖堂(Catedral Basílica Menor Nossa Senhora da Glória)前の広場で、復活祭を前に催される野外演劇のことです。

 今年も3月28日(水)、30日(金)の午後8時から約1時間半、新約聖書に描かれたイエスの生涯と教えを基にした舞台が行われました。鑑賞は無料。好天にも恵まれ、1000人ほどの聴衆が訪れ、広場は熱気を帯びていました。その多くは若い世代や子ども連れ、働き盛りの人々といった印象です。


マリンガ大聖堂前で復活祭を前に催された野外演劇を見る人々

マリンガ大聖堂前で復活祭を前に催された野外演劇を見る人々

 キリスト教国のブラジルだけに、聖書の名場面は日本の桃太郎感覚でなじみのある人が多いものです。復活祭(イースター)と言えば、ブラジルでは魚料理と卵形チョコレートを食べるのが近年の風物詩ですが、本来の意味を認識しようとする人も少なくないことがうかがえます。


マリンガ大聖堂前の広場で、復活祭を前に催された野外演劇

マリンガ大聖堂前の広場で、復活祭を前に催された野外演劇

 復活祭に合わせてテレビなどでも同様のストーリーの映像が放送されますが、うわさ通り、マリンガ大聖堂前の舞台は白熱の演技です。演劇好きのブラジル人も多く、会場はあまりの人の多さで大舞台の前まで行くのも難しい状況でした。

 離れた場所には大型スクリーンで舞台の様子も映し出され、響き渡る声はブラジルのテレビや映画を代表する声優のものということで、あっという間の1時間半でした。

 四六時中、ドローンが上空から会場の様子を見守る中、キリストが十字架にかけられ埋葬された後、お墓から出てよみがえり、弟子たちの前に現れて昇天していくというクライマックス。最後は地上127メートルのカテドラルの上部で昇天していくキリストが現れて舞台は締めくくられるという凝りようで、皆その一点に目が釘付けでした。


地上127メートルのカテドラルの上部で昇天していくキリストで締めくくられた演劇。イエス様がいる場所に舞台からスポットライトが当てられている

地上127メートルのカテドラルの上部で昇天していくキリストで締めくくられた演劇。イエス様がいる場所に舞台からスポットライトが当てられている

 マリンガ大聖堂を設計した建築家ジョゼ・アウグスト・ベルッシは、ロシア(旧ソ連)が1950年代後半に打ち上げた人工衛星スプートニク号にインスピレーションを得たとのことです。

 スプートニクの語源であるギリシャ語“poustinikki”は「神に近づくためこの世を離れる巡礼者」を意味するそうで、大聖堂の中の壁面にも昇天するイエスの姿が描かれています。今回の舞台最後でもカテドラルの上部に昇天するイエスが現れましたが、細まっていく円すいの頂点に向かって大宇宙に吸いこまれていくような様子は、聖書のテーマでもある永遠の命について人々を導くかのようです。


マリンガ大聖堂内部の壁面に描かれた昇天するイエスの姿

マリンガ大聖堂内部の壁面に描かれた昇天するイエスの姿


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