ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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全文ルビ付きで発行されているブラジルの近年の日本語刊行物の一つ

全文ルビ付きで発行されているブラジルの近年の日本語刊行物の一つ

 近年、ブラジルで発行されている日本語の読み物は、全文ルビ付きとなっているものが増えています。 

 日本では幼少の頃から何度も繰り返し読み書きの練習を通して身に付ける漢字の読み書き。常用漢字くらいは、日本で教育を受けた人なら読み仮名(ルビ)なしである程度漢字を読めるのは日本の常識です。

 しかし、ブラジルの日系人のように日本人の子であっても小学校低学年程度の漢字学習くらいしか修めていないようなケースや外国人の場合、一般的な日本語の読み物をルビなしで読むのは至難の業です。

 漢字を読める人にとっては読み仮名がある方が目がちらついて読みにくい気もしますが、より多くの人が読めるという意味では、やはりルビ付きの方が親切です。


日系社会面が数年前から全文ルビ付きで発行されているサンパウロの邦字紙ニッケイ新聞

日系社会面が数年前から全文ルビ付きで発行されているサンパウロの邦字紙ニッケイ新聞

 ルビさえ付いていれば、一度日本語を学習した者なら平仮名はマスターしているので、何となく読んで意味が分かるという人もブラジルの日系二世や日本学習者の間では珍しくありません。そして、読んでいるうちに、漢字を覚えていくということもあります。

 特に多少日本語を勉強したことがあれば平仮名は読め、話せば意味も分かるような人にとって、ルビがあるなら読んでみようということで購買意欲も高まると言います。


マウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションズが発行している、日本で日本語が不自由な外国人のために全文ルビ付きで無償配布している日本の小学校を解説する漫画

マウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションズが発行している、日本で日本語が不自由な外国人のために全文ルビ付きで無償配布している日本の小学校を解説する漫画

 今、日本でも在日ブラジル人はもちろん、アジア各国、その他の国から来て生活している人々がいます。たいてい、平仮名くらいは皆マスターして、漢字の段階でその難しさと時間のなさから勉強をギブアップという人も多いと思います。


日本語には全文ルビが付けられたマウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションズが制作協力する日本の中学校の英語教材(写真提供:マウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションズ・ジャパン)

日本語には全文ルビが付けられたマウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションズが制作協力する日本の中学校の英語教材(写真提供:マウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションズ・ジャパン)

 最近は日本でも子ども向けの本などは、比較的ルビ付きの本を目にするようになりました。ルビ付きの読み物を日本でさらに後押しするかのように、ブラジルで国民的マンガの「モニカとなかまたち」を発行するマウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションでは、日本語が不自由な外国人のために、日本で無償配布している日本の小学校を解説するマンガや、制作協力中の年内に販売する日本の中学校で使用する英語教材にも漢字に全部ルビを付けるという取り組みを実施し、注目を集めています。


全文ルビが付けられたブラジルの近年の日本語刊行物の制作画面

全文ルビが付けられたブラジルの近年の日本語刊行物の制作画面

 ブラジルは世界最大の日系社会を擁するだけに、日本語以外の漢字に親しみのない言語を母国語とする人々への日本語のあり方は、先進国ということもできます。グローバル時代に向け、日本でも大人向けの本にルビ付きが増えても良いかもしれないと思わせられる、昨今のブラジルで発行されている「ルビ付き日本語」の読み物事情です。


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