ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ市のセー駅に並んだメトロの自動券売機

サンパウロ市のセー駅に並んだメトロの自動券売機

 今年、設立から50周年を迎えたサンパウロのメトロ。その記念事業の一つが、各駅での乗車券の自動券売機の導入です。

 最初に機械が現れ始めたのは5月頃のことです。サンパウロの中心となっているセー駅で複数の券売機がずらりと並びました。

 ポルトガル語、英語、スペイン語の3カ国語から選べる自動券売機で、グローバル対策も進んでいるかのように見え、どんどん拡大する路線網に合わせてシステムも発展しているかのように見えたものでした。


ポルトガル語、英語、スペイン語の3カ国語から選べる自動券売機

ポルトガル語、英語、スペイン語の3カ国語から選べる自動券売機

 ところが、最初の設置から3カ月近くが過ぎ、これまで自動券売機を利用する人をほとんど見掛けません。電源はついており、壊れている様子もありません。

 このことが非常にブラジルらしさを表しています。

 市民の機械への不信がよく現れており、ブラジルでは基本的にお金が絡むと人を信用できないというのは日本以上に常識で、人の作った機械はさらに信用できないと言ったところでしょうか。


サンパウロ市のメトロの自動券売機

サンパウロ市のメトロの自動券売機

 自動券売機になじまない理由の一つは、お釣りは10レアルまでしか出さないと表示されていることも理由に挙げられます。もっといえば、お金を入れてもお釣りはおろか、商品も出てこないという状況があり得ることが容易に想像でき、他の自動販売機でも、時々、商品やお釣りが出てこないことに腹を立て、機械を蹴っているような人も見掛けます。
 
 お金を入れて商品やお釣りが出なくても、誰かに訴えて即助けてくれるという状況が少ないのもブラジルです。


サンパウロ市のメトロの販売窓口

サンパウロ市のメトロの販売窓口

 これまでメトロのチケットは人が販売する窓口のみで、今もそれは継続しています。時によってはずらりと行列ができて、遅刻しそうな時は時間を取られてとても困ります。そんな状況の打開策に見えた自動券売機ですが、あまりの利用者の少なさに、せっかくの記念事業での導入でしたが、撤去されるのも時間の問題かもしれません。

 ブラジルでも人々が安心して機械からチケットを購入できる日は来るのでしょうか?



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