スイス

スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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ホテル入り口。大きなガラスの壁部分は昔は中庭でした。

ホテル入り口。大きなガラスの壁部分は昔は中庭でした。

 ドイツの南西部にオッフェンブルク(Offenburg)という街があるのですが、この街で2009年まで刑務所として使われていた建物が、新しくスタイリッシュでおしゃれなデザイナーズホテルとして、2017年秋にオープン。

 このユニークなホテルが、スイスの無料紙で当時紹介されてから、ずっと気になって宿泊したいと思っていたのですが、今回やっと訪れることができました。


ホテルの駐車場から見たホテル。壁がなんとなく『投獄』っぽい

ホテルの駐車場から見たホテル。壁がなんとなく『投獄』っぽい

 スイスの我が家から、ドイツのオッフェンブルクまでは車で2時間半ほど。フランス・アルザス地方のストラスブールからは、車で20分ほどで来ることができる、フランスとの国境から非常に近い街でもあります。

 さて、旧オッフェンブルク刑務所であった新しいホテル『リバティ(Liberty)』ですが、元々の刑務所としての歴史はかなり古く、自由改革を求めてドイツ各地で多くの蜂起が起きていた時代の、1843年から1845年の間に建てられたものなのだそう。


レセプション&レストランエリア。迫力のある石の壁は、以前刑務所の建物外壁でした

レセプション&レストランエリア。迫力のある石の壁は、以前刑務所の建物外壁でした

 つい10年ほど前まで現役の刑務所であったわけですが、長い年月を経て建物が劣化し、また古い施設なので、設備そのものも時代にそぐなわなかったり、監房も狭すぎたりと、色々と刑務所としての役割を果たせなくなっていきました。

 そこで2009年春に完成した、新オッフェンブルク刑務所へ服役者を移送した後、旧刑務所はその役目を終了したのでした。


グレーの廊下の両側には、かつて監房が並んでいましたが、現在は客室に

グレーの廊下の両側には、かつて監房が並んでいましたが、現在は客室に

 その後は、何年も計画と改築に時間をかけ、2017年10月に、洗練されたオシャレな高級ホテルとして再出発。

 刑務所時代は、二つの建物が中庭を挟んで建っていたのですが、その2つの建物をガラス窓でつなぎ、以前中庭であった部分は、レセプションとレストランエリアに変身しました。

 宿泊するホテルの部屋が並ぶ廊下は、もともと監房があったところ。ドアの高さが1.7mと低く小さいものだったので、現在は新しく大きなドアが並んでいます。


刑務所時代のドアと、ホテルの新しいドアが仲よく並んでいる風景が不思議……

刑務所時代のドアと、ホテルの新しいドアが仲よく並んでいる風景が不思議……

 ホテルの部屋数は38室と少ないので、その分一部屋一部屋がゆったりと大きく作られており、リラックスできる空間になっていました。

 私が宿泊した週末は、自分以外に同じくスイスから来たと思われるスイスナンバーの車が1台、ホテル駐車場にとまっていただけで、ほとんどの車(宿泊者)は地元オッフェンブルクナンバーのようでした。
おそらく地元の方たちは、刑務所時代の建物を知っているので、ホテルに大変身した現在、一体内部はどうなっているのだろう?と、とても興味深々だったのでしょうね(笑)。

◎HOTEL LIBERTY◎
住所/Liberty Betriebsgesellschaft mbH & Co. KG
Grabenallee 8, 77652 Offenburg, Germany
ホームページ/https://www.hotel-liberty.de/en/ 


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