台湾の高校バスケHBL 憧れの舞台へ その1
2019.05.27 up
準決勝リーグの様子
台湾の高校バスケ・HBLは、2月18~25日(22日は休養日)に男女の準決勝リーグが台北市内の2カ所の会場で行われました。2017年のユニバーシアードに合わせて建設した和平籃球館をテレビ中継用のメイン会場とし、女子の試合が中心のサブ会場は通い慣れた台北体育館で行われました。
過去にも紹介していますが、私が注目したのは、前年の予選敗退から再度立ち上がり、勝ち上がってきた女子の台北市立第一女子高級中學(以後、北一女)。どのような戦いになったのでしょうか。
20日の台南市立永仁高級中學(以後、永仁高中)戦のハーフタイム時の様子
初日と2日目を終え、1勝1敗で迎えた3日目。
私はこの日から様子を見ていましたが、選手たちが一番変わったと言えるのが上の写真。第1クウォーターを10ー27と滑り出しに失敗し、前半を終了したところで29ー44と差を縮められないもどかしい展開になり、以前なら意気消沈しそうな空気が漂うのですが、ハーフタイム時にベンチの様子を見ていたら、コートでダンスを披露している学校の同級生を見つめる表情に、気迫がこもっていました。
何より、目が死んでおらず、今後の展開に期待が持てました。
その結果は、第3、4クウォーターとも16ー13、優勝候補の永仁高中に途中6点差まで追い上げる健闘を見せ、敗れたものの、4日目以降の試合に期待が持てる内容となりました。
5日目の台北市私立滬江高級中學(以後、滬江高中)より
4日目の対戦相手の新北市私立南山高級中學も、優勝候補の一つ。
序盤からリードを許す厳しい展開ですが、第2クウォーター途中で1点差まで迫る健闘を見せましたが、73ー86で敗れ、1勝3敗となりました。
準決勝リーグ7試合を通して、平均身長が165.3cmと8チームで一番低いチームということもあってか、上の写真のようなディフェンスに苦しめられる姿が目立ちました。
残り36.46秒で逆転の3ポイントシュートを決めた宋淑萍(ソン・シューピン、左から一人目)を迎える北一女の選手たち
1日休み、5日目の滬江高中の試合は最後の2分で1点を争う「息がつまる」ような試合でした。
残り46.06秒で、滬江高中のバスケットカウントで62ー62の同点、フリースローもしっかり決まり、62ー63。直後のスローインで滬江高中が仕掛けたゾーンプレスをかわして、相手コートの右のエンドライン手前の制限区域ラインとスリーポイントラインの間にロングパスが通り、最後はフリーになって中央より少し右側の位置のスリーポイントライン前で待っていた宋淑萍がしっかり決めて65ー63。
北一女の応援席の歓声が一気に爆発したような感じになり、「これを(TV中継がない)サブ会場でやるのはもったいないなぁ」と誰もが思えるような雰囲気に包まれました。
*その時の様子
https://www.facebook.com/100000315242667/videos/pcb.2347292618624557/2347291071958045/?type=3&theater
https://www.youtube.com/watch?v=IqEoI89-ow0&feature=share
勝利目前で雄叫びをあげるベンチの選手たち
その後36.35秒の攻防も乗り切り、68ー64で北一女が苦しい試合に終止符を打ちました。
この試合の終了直前、前年の予選敗退の悔し涙から、選手たちが1点を争う試合で精神的な強さを見せた姿をうれしく感じていたのでしょうか。駱燕萍ヘッドコーチ(以後HC)が目頭を押さえるシーンがありました。
逆転3ポイントシュートを決めた宋淑萍は、1、2年とベンチ入りメンバーに入っておらず、2年時に高雄の予選で敗れた際は、応援の立場でチーメイトとともに悔し涙を流していました。その選手が、「負けたら…」という重圧がかかる試合で、強い気持ちで決めた3ポイントシュートは、単に勝利に貢献しただけでなく、3年かけて成長した姿を強く印象付けた特別なものだったように見えました。
北一女はこれで2勝3敗。
残り2試合、決勝トーナメント進出をかけ、2連勝を目指しますが、その様子は次回にて。
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