フランス

フランス:パリ

別紙 敦子(べっし あつこ)

氏名=別紙敦子
職業=観光業
居住都市=パリ(フランス)とバルセロナ(スペイン)年間1:2の割合で、行き来しています。

前の月へ

2024.4

次の月へ
S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

「私たちは閉店しました」の紙を一枚貼って、消えた旧市街のブディック。

「私たちは閉店しました」の紙を一枚貼って、消えた旧市街のブディック。

 2020年、職を失う、外出自粛規制がストレスになりパートナーと不仲になるなど、色々な問題を抱える人が増えてきています。中でも、家賃や住宅ローンが払えず、立ち退きを余儀なくされた人は辛いです。

 もし、やむを得ず家を出なくてはならないが、新たなアパートを借りるお金もない時、あなたなら どうしますか?


引っ越し用に詰められた荷物の山。沢山の荷物を所持して、路上生活もできません。 

引っ越し用に詰められた荷物の山。沢山の荷物を所持して、路上生活もできません。 

 現在スペインでは、空き店舗が続出中で 右も左もテナント募集表示があちこちにあります。歩けば、シャッターの向こうに大きな何もないスペースが見えるのです。

 『誰も使っていないんだから、ちょっとくらい いいよね』
と、侵入して一泊させてもらうと、意外と心地よいことに気が付き、完全に住み始める。

 そのような人を、スペインでは『オクパ』と呼んでいます。今年、非常にオクパの存在が増えました。


実際に怪しい娼婦らしき人が今年不法占拠した貸店舗。やっと追い出した現在! 

実際に怪しい娼婦らしき人が今年不法占拠した貸店舗。やっと追い出した現在! 

 問題は、こちらスペインには、なんとも可笑しな法律が存在する点です。

 不法侵入しても、24時間 誰にも追い出されずに済んだら、
【もう、追い出されないんです!】
居住権利が存在し始めるんです。
家主にとっては、恐ろしい法律です?
【持ち主は、土地や建物を使用しない場合、公共の為に有効活用する義務がある。】

 オクパを発見した所有者は、悪くないのだから堂々と追い出そうと、警察に報告しますよね。ですが、裁判所が不法占拠であると承認しないと、警察が動く事ができないそうです。

 裁判費用は勿論、時間や手間をかけても、最低2年はかかると聞きました。
その間、オクパが我が物顔で生活できてしまうのですから、とても悔しい思いをすることになります。


いつの間にか侵入した新オクパに怒って、旧オクパが刺傷事件を起こした場所。

いつの間にか侵入した新オクパに怒って、旧オクパが刺傷事件を起こした場所。

 では、どのように追い出すか?

 経験豊富なスペイン人が教えてくれた暗黙の2つの方法を読者にお教えしちゃいます。

1.オクパが寝静まった頃に、友だちや家族を連れて家に入る。その後すぐに警察に電話して、「たった今オクパが不法侵入してきた」と、みんなで口を揃えて訴える。その場合、警察は、オクパを逮捕できるそうです。
2.怖い人(専門家)に頼んで、追い出していただく。

 結論として言えることは、スペインでは旅行で留守にして戻ってきた時に、運が悪ければオクパが我が家にいるってこともあり得るんです!

 長期休暇はおろか、週末ですら怖くてどこもいけなくなりそうです。(泣)



レポーター「別紙 敦子」の最近の記事

「フランス」の他の記事

  • 1613 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives