ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロの州立高校の授業で作成されたコロナウイルスによるアジア人差別防止を啓発するポスター

サンパウロの州立高校の授業で作成されたコロナウイルスによるアジア人差別防止を啓発するポスター

 海外でコロナウイルスが大きな問題と扱われ始めた2月始め頃から、ブラジルでは感染がまだ直接的に広がりを見せる気配はなかったにもかかわらず、アジア人というだけで警戒される様な言動をされる動きが見られていました。

 例えば、グアルーリョス国際空港からタクシーを利用した日本人は、とにかく、運転手からあまり近づきたくないような恐がられるような態度で接せられたという話を聞きました。

 子どもの通う学校では、日本人の子どもというだけで近く日本に行っていたわけでもないのに、「コロナウイルス」と呼ばれ、嫌な気持ちにさせられたと言います。そして、日本の「祖父母は皆コロナウイルスにかかっているんだろ?」と言われる様な事まであったと言います。

 さらに、学校の職員の一人が、「日本人と握手する時は、手のひらではなく、腕を当てるだけ」というように、実際にそのやり方まで示してきたと言います。

 ブラジルは法律でも慣習的にも、人種や宗教、様々なハンディーを抱えた人やマイノリティーに対する差別や偏見は禁止されている国です。それでも、コロナウイルス騒動は、やはりアジア人というとより警戒されやすくなってしまっていました。


サンパウロの州立高校の授業で作成されたコロナウイルスについて理解を深める発表

サンパウロの州立高校の授業で作成されたコロナウイルスについて理解を深める発表

 3月8日は国際婦人デーということもあって、女性差別や人種差別など、様々なヘイトに対するデモがブラジルでは行われていました。

 それに合わせてタイムリーなコロナウイルス問題も発生し、サンパウロの州立高校の一つでは、「コロナウイルスによるシェノフォビア(外国人嫌い)」をテーマに、コロナウイルスによるアジア人差別に注目するような活動が授業の中で実施されました。

 その州立高校には日系人や韓国系の生徒も通っています。「コロナウイルスによるシェノフォビア(外国人嫌い)」を考える中で、アジア人というだけで、日頃から「シンギ-リンギ」と呼ばれたり、今回のコロナウイルス騒動では、ブラジル人女性がマスクをしてアジア系の女性を蔑視するような絵が描かれ、その様な事は人を嫌な気持ちにさせる偏見や差別に通じると改めて訴える内容のポスターが作成され、学校の壁に張り出されました。

 コロナウイルスが引き金になって、改めて堂々とシェノフォビア(外国人嫌い)について皆で考えると言うのが、ブラジルのおおらかさでもあるとも言えます。

 サンパウロの公立学校では正式には3月23日から、各家庭の判断によっては16日から休校の措置が取られることになりました。今後の事態の行く末はおとなしく見守っていくしかありません。


サンパウロ州が広報しているコロナウイルスの予防対策を示すポスター

サンパウロ州が広報しているコロナウイルスの予防対策を示すポスター


サンパウロの州立高校の授業で作成されたコロナウイルスによる様々な理解を深める活動報告が張り出された学校の壁

サンパウロの州立高校の授業で作成されたコロナウイルスによる様々な理解を深める活動報告が張り出された学校の壁



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