フランス

フランス:パリ

別紙 敦子(べっし あつこ)

氏名=別紙敦子
職業=観光業
居住都市=パリ(フランス)とバルセロナ(スペイン)年間1:2の割合で、行き来しています。

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広場いっぱいに散らばっていた足跡

広場いっぱいに散らばっていた足跡

 10月27日、バルセロナ大聖堂の前のノヴァ広場の地面に、白く描かれた足跡が無数にあるのに遭遇しました。それは、私を含め、通りかかった観光客や市民に大いに興味をそそらせるものでした。人々は、それを自分の靴と合わせてみたり、写真を撮ったり楽しんでいました。


 しかし、その後に、整然と並ぶ多くの靴も 見つけました。

 新鋭アーティストが芸術作品を展示していると思っていた私は、ふと首をかしげることとなりました。

 各靴の横に、名前と年齢が記されているプレートがあったのです。

 そして、地面の白い足跡の隙間に短く描かれたメッセージを読み始めて、気持ちが急に重くなりました。


 これらは、バルセロナ市で過去12か月間に亡くなったホームレスへの財団( Arrels Foundation)からの オマージュだったのです。

 路上生活をしていて亡くなった69人(最年少は28歳、最年長は88歳、うち女性10人)の靴が約60足、また今現在路上に住んでいる人々1064人を広場一面に1000を超える足跡にして表現していたのでした。

― 情報:La Vanguargia紙より


 この日、午後6時からセレモニー行われ、リセウ劇場のミュージシャンのグループがジョン・レノンの「イマジン」を演奏し、静かに黙祷、犠牲者を知っていたさまざまな協力者がマイクに近づき、彼らにいくつかの言葉を捧げました。


 このオマージュにより、365日毎日、生き残るため悪状況に苦しんでいる彼らを可視化することになり、一般の人々に野外での生活の問題を認識させることができたと思います。

 これから寒い季節が来るので生活リスクが高くなります。

 せめて、夜に建物の隅や避難場所を探し続けている何千人もの人々に対し、優しい眼差しを向けられたらと思います。


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