なり得るかも!?「オーウェリアン」
2021.04.18 up
バルセロナ市旧市街にある『ジョージ・オーウェル広場』
英国作家ジョージ・オーウェルの代表作「1984」をご存じでしょうか。
世の中が危険や不気味さを感じさせる管理社会になり、反抗しようとする人が敗れてしまう話で、結末は悲劇的。そんな監視管理社会を「オーウェリアン」(Orwellian)と呼ぶようになったほど、人気が出ました。
今 改めて、私たちの状況を認識してみますと、現在もコロナ感染予防対策として行動規制がある欧州では、外出の際、目的地や理由、日時などしっかり書き込んだ移動理由書を持ち歩かなくてはなりません。
夜の外出禁止。
○○km以上、または、区域外の移動は禁止。
人との接触を避けるという理由で、出来る限りネット上で処理するようになりました。
そうして、通学・通勤も必要が無かったと 感じる人も出てきました。必然的に、国や会社で個人情報のデータ化が急速に進んでいます。
GPSなどの位置情報・監視システムや個人識別データの作成といった国民を管理する仕組みも進化しています。
私たちの住む世界のデモクラティズムが知らず知らずのうちに、全体主義に覆われつつあるのでは?
「人間らしさ」に対する信念を各々自問し始めた時は、もう以前の社会に戻れない状態になるのでは、と心配になります。
ジョージ・オーウェルの著書『カタロニア讃歌』
バルセロナ旧市街には、彼を称える広場があります。
ジョージ・オーウェルは、1936年から1939年まで第二共和政期のスペインで発生したスペイン内戦時、新聞記事を書くつもりでスペインに入り、カタルーニャ地方でファシズム軍に対抗する人民戦線の兵士たちの勇敢さに感銘を受け、戦線に参加したのです。
その実体験に基づき、臨場感あふれるルポルタージュ『カタロニア讃歌』を描いています。ですから、カタルーニャの人々は彼を敬慕しています。
ジョージ・オーウェル広場のプレート(4月12日撮影)
ジョージ・オーウェルは、「何故か、スペインでの体験は人間らしさに対する僕の信念を 減らすどころか、増やす結果となった。」と著書の中で語っています。
欧州は、個人主義を重んじる人が多いと感じていましたが、案の定、現在の各国のコロナ感染対策に従ってはいるが、「まるで監視社会の中で暮らせと言っているように感じる」と、今にも反旗を翻しそうです。
また、ジョージ・オーウェルの著書「1984」で描かれた社会について語り、今、まさに起こるかもしれない、彼が危惧した世界になるのではないか、と憂慮する人が 周りでも増えてきました。あなたはどう思いますか?
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タグ:ジョージ・オーウェル,バルセロナ,未来への不安, 監視管理社会, オーウェリアン
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