台湾統一地方選 若手無所属候補者奮闘記(1)
2022.12.20 up
地域の子供達の落書きで埋められた応援ボード
11月26日に行われた統一地方選挙には、知名度がある國民党、民進党の他、柯文哲前台北市長が党首を務める台湾民衆党、2016年の立法委員選挙で5議席を獲得し一躍第三政党になった時代力量だけでなく、少数政党、無所属の候補者が多数立候補しました。
無所属の候補者にも色々いて、地元に根を張って活動し、何度も当選している候補者もいれば、色々方向性を模索しながら活動している若手の候補者も多くいました。
今回は、私が見てきた範囲でその様子を紹介します。
演説で涙ぐむ黄郁芬候補
10月23日にデパート前の広場で対策本部の事務所開きの集会を行った黄郁芬候補(台北市第1選挙区)。私が知ったきっかけは、2019年の同地区で行われた活動に黄郁芬候補が訪れていたことからです。その当時は、時代力量所属でしたが、他政党の方の事務所が開催している活動に顔を出していて、少し驚いたのですが、2020年8月に離党し、無所属で活動をしていました。
それからずっと動向が気になっていて、facebookを注視していたら、この日の活動が紹介されていたので、訪問することにしました。
集会の場で見たものは、候補者自ら応援スタッフに丁寧に指示を出し、会場を管理する姿でした。この前週に同じ会場で集会を開いていた他政党の候補者と大きく違ったのはそこで、全部自分で用意しないといけない難しさを感じました。
林亮君候補(左)と抱き合う黄郁芬候補(右)
集会が始まってから、色々な方が応援に駆けつけましたが、その多くは以前在籍していた時代力量で一緒に活動してきた仲間たちでした。その多くは、所属政党なしの無所属で活動しています。
そのうちの一人が、林亮君候補(台北市第4選挙区)。
応援演説の後、旧交を温めるように抱擁を交わしましたが、応援に駆けつけたかつての同僚たちとは、本当にこのような感じでした。
集会終盤に、黄郁芬候補の演説がありましたが、そこで涙ぐむ姿がありました。集会直前に、出産で2週間程度選挙活動を止めなければならず、加えて出産後の療養生活明けの体力低下で、精神的に不安定な状態にありました。
その辺りのことを隠さず、正直に話しているときに、涙が止まらなくなった感じですが、それでも過去4年の議員活動での成果、公約をしっかり話して聴衆に理解を求める真摯な姿は、心を打つものがありました。
10月23日夜の座談会より
同じ10月23日の夜、台北市内で座談会が開催されました。
テーマは、11月26日の統一地方選挙の他に実施された住民投票で、公民権を18歳まで引き下げる憲法改正に関するものでした。
この座談会は、前出の林亮君候補の事務所が開催したもので、ゲストスピーカーに民進党の林飛帆福秘書長(上の写真、当日はオンライン参加)だけでなく、呉崢候補(台北市第3選挙区)、苗博雅候補(社会民主党所属、台北市第6選挙区)らがゲストスピーカーとして集まり、若い世代の政治参加の意義について、参加者たちと語論を重ねました。
台北市内で街頭演説
林亮君候補、呉崢候補、苗博雅候補は、所属政党や選挙区の垣根を越え、同じ志を持つ仲間として。また議会で単独過半数が取れない大きい政党に対する重要なパーソンとして存在感を出していこうと協力体制を構築していました。
その場は、三候補者の街頭演説、facebookのLIVEを活用したトーク、共同で開催した音楽会と多岐に渡りました。
前出の大きい政党の候補者だと、選挙活動にかけられる予算が多く、新人候補でも戦況次第では心理的な余裕が持てる状況にあるのに対し、無所属、少数政党の候補者は限られるので、こうした協力体制は非常に意味があるように感じました。
つづく
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