メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 メキシコに来て14年目。このたび、うわさに聞いていたものを初めて体験いたしました。

 メキシコにはアメリカ経由のなかなかユニークなお寿司(すし)がたくさんあります。その中でも、この14年間一度も試す勇気がなかったのが「フルーツ寿司」。マンゴースライス、イチゴ、バナナ、キウイなどがクリームチーズとともに巻かれているものです。お寿司のお店で注文すると、太巻き一本すべてそれになってしまうので、ちょっと厳しいな、と思って躊躇(ちゅうちょ)していたわけです。先日たまたま昼食を取ったビュッフェに、フルーツ寿司があったのでここぞとばかりに試してみました。


 キウイロールとイチゴロール。薄くスライスしたフルーツを、クリームチーズとともにお米の外側に乗せ、ちゃんと酢の利いた酢飯は軟らかめでぎっしり。中央にはキュウリの千切りとカニカマが巻かれています。どうやら外側のクリームチーズには少し甘味が加わっているようで、甘味、酸味、いろいろ混ざって不思議な感じがします。


 このような「日本には存在しない寿司」は寿司じゃない、とのご意見もあるでしょう。ですがそれでも、4歳ぐらいの子どもが「お寿司食べたい!」と親にせがんでいるのをみると、この一風変わったお寿司でもそれが玄関口となって日本の食文化が世界中にもっと広まっていけばいいのではないかな、とすら思います。




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