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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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日本時代からの校舎「光復樓」の改装完成記念除幕式

日本時代からの校舎「光復樓」の改装完成記念除幕式

 以前、京都橘高校の吹奏楽部の様子を紹介しました。部員たちは、演奏終了後、楽器を片付け、着替えを済ませてからは、共演した台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)の生徒たちと一緒に学園祭を楽しみました。夜は西門町のパレードの予定がありましたが、その前に学校でひと休み兼自由行動という感じでした。

 今回は、部員たちが楽しんだ北一女の学園祭の様子を紹介します。

 上の写真は、日本時代の1933年落成で、現在も使用している校舎「光復樓」の改装完成記念の除幕式の様子です。京都橘高校の演奏終了後に台北市の蔣萬安市長ら来賓を招いて行われましたが、この直前に頼清徳副総統が訪問していたので、学校関係者は大忙しでした。


学園祭の「園遊會」の様子

学園祭の「園遊會」の様子

 北一女の学園祭は、過去に紹介していますが、学校の創立周年が日本時代からと1945年の現行体制に移行後から数えて5の倍数の時に、食べ物の屋台などが並ぶ「園遊會」と呼ばれるものを開催します。今年は、日本時代から数えて120周年ということで開催されましたが、平日の火曜日にも関わらず、多くの来場者でにぎわいました。

 例年、卒業生、生徒たちの保護者、歩いて10分ほどのところにある台北市立建國高級中學の生徒(注:平日の場合、彼らは授業をサボって来ていて、北一女の卒業生である先代の校長にそのことを思いっきりいじられていました)らが主なのですが、今回は京都橘高校の部員たちが加わったことで、過去何年もなかった活気が戻ったような感じでした。


日本語の表示

日本語の表示

 下に降りて様子を見ていたら、いろいろ気づいたこともありました。

 事前に京都橘高校の吹奏楽部の訪問が伝えられていたからかもしれませんが、価格表には日本語の表示があちこちで見られました。


悠遊カードの決済機

悠遊カードの決済機

 新型コロナウイルスの感染拡大期に、校内のデジタル化を大きく進めてきたようで、各クラスの売り場には、交通系I Cカード・悠遊カードのカード決済機が置かれ、簡単に決済できるようになっていました。

 現金での支払いも可能でしたが、支払いの他、食器の払い戻しなど管理が面倒且つ衛生面の心配もあるので、ものすごく便利になったような気がします。この時の成果次第ですが、今後の北一女の学園祭では、現金のやり取りは一切せず、悠遊カード限定になるかもしれません。


学校関係者限定のお菓子

学校関係者限定のお菓子

 北一女はPTAや同窓会などと共同で、創立120周年記念のものを出していました。前出の光復樓の模型と制服のキーホルダー型の悠遊カードを出しただけでなく、製菓会社と提携し、上の写真のようなオリジナル袋のお菓子も関係者向け(非売品)に出していました。

 蛇足になりますが、京都橘高校の吹奏楽部のみなさんは、午後3時20分頃に北一女の学校関係者が見守る中、夜のパレードの会場である西門町へ移動しました。

 この翌日以降の京都橘高校の吹奏楽部は、自由行動、チャリティコンサートを経て、京都へ戻り、冬休みを迎えたということです。チャリティコンサートでは、観客へ感謝の言葉を述べているときに涙が込み上げ、詰まってしまうこともありましたが、非常に有意義な滞在になったようです。

 前年も総統府のパレード前に北一女を訪れ、交流活動を行っていますが、新型コロナウイルスの感染拡大でほぼあきらめていた対面での国際交流が実現したことで、北一女の生徒たちは大喜びだったそうです。2年続けての訪問で、元気づけられ、励まされたのは、訪問先の北一女の生徒たちだけでなく、訪問した自分たちだったのかもしれません。

 久しぶりに見た有意義な国際交流活動であり、学園祭であったように感じました。
 


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