ベールに隠された中近東やアジア女性の心を日本画で
2024.05.23 up
伊藤愛華さん
「覆う・隠す」文化が共通する中近東からインド、そして日本まで、アジアの女性を日本画の様式で描き出す若き女性アーティストがいます。伊藤愛華さん(千葉県)です。
現在、5月21(火)から5月26(日)まで伊藤さんの個展は東京都の東急プラザ銀座4階のArtGallery(東京都中央区銀座5-2-1)で、午前11時から午後8時まで開催されています。入場無料。
彼女はこれまで日本ではイメージが先行しがちな中近東のイスラム教徒の女性を多く描いてきました。花を絵の一部にあしらうのも特徴で、その和やかで美しい作風が多くのファンを魅了し、制作された作品はほとんどが鑑賞者の手元に渡っています。
「価値観が多様化している時代の中で、自国の文化や伝統、自身の宗教観に誇りを持ち、時に偏見にさらされる彼女たちのベールで隠された心のうちを表現したいと考えました」と伊藤さんは話します。
伊藤愛華さんの作品
中近東の文化を描くことになったきっかけの一つは、日本画の画材である岩絵の具の質感に、中東の砂漠やタイル装飾に親和性を感じたこともあります。
現代では日常生活で日本画に接する機会は少ないですが、伊藤さんは鑑賞者が訪れて余裕のある時には、額縁に入れられていない作品で、その岩具の質感を体験してもらえるように直接手で触ってもらう機会もつくっています。
ベールに覆われたイスラムの女性たちを描いてゆく中で、日本の花嫁が綿帽子をかぶる白無垢姿にも「覆う・隠す」という共通の文化を改めて感じるようになり、作品に反映するようにもなりました。
伊藤愛華さんの作品
女性や自然の風景を描くことの多い伊藤さんですが、男性を描いた作品が集まる個展が開催されるのに合わせて、アラブ人男性を描いたこともあります。
作品の一部はポストカードや携帯電話の備品のデザインに取り入れて、オンラインミュージアムショップも開設しています。
制作の合間に、ファンの方との交流も大切にしており、絵画教室のほか、展覧会が開催されるのは期間限定のため、作品を見たいという方のために特別に鑑賞の場をセッティングすることもあります。
親日派の多いアラブ諸国やインドやその周辺国、ブラジルでも注目されそうな作品の数々で、今後も活躍が期待される日本が誇るアーティストです。
【伊藤愛華さんのサイト】
https://itoayaka.jimdofree.com/
伊藤愛華さんの作品のポストカード
個展で飾られた作品
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