円安の影響で日本のすき家の牛丼が断然お得な今
2024.06.12 up
ブラジルすき家の牛丼(Mサイズ、日本の中盛)
1ドル155円前後の円安が続く中、海外から見ると日本の旅行や買い物にお得感のある状況が続いています。外食についても然りです。「日本の方がブラジルよりも明らかに安い」というのが、今両国間を往復する日本人の間では共通認識となっています。
飲食店の中で、ブラジルよりも日本の方が明らかに安くなっているの例が牛丼です。例えば、ブラジルにもフランチャイズ展開しているすき家で言えば、5月の日本のすき家の牛丼価格は並盛が430円です。ほぼ同じボリュームに相当するブラジルすき家の牛丼(Pサイズ)は20.90レアル(約630円/5月の為替)となっています。つまり、ブラジルの方が47%割高ということになります。
ブラジルすき家の牛丼メニュー
ブラジルすき家の牛丼価格は、2010年のオープン時からブラジルのインフレの影響で3倍以上値上がりし、レアル/ドルもこの14年間で約3倍となっています。当時はP(日本の並盛)が6レアル(当時の為替で約300円)と、日本と同じかブラジルの方が安いと感じられるような価格でした。
日本の牛丼の方が安くなった最大の要因は、ブラジルのすき家がオープンした2010年は円高時代で、その後2015年から2022年初頭までの為替は1ドル110円前後だったのが、2022年から今日までは155円前後にまで推移したことが挙げられます。この4割の為替の変動によって、日本の並牛丼430円は1ドル110円の時はブラジルでは約20レアルだったが、155円では約14レアルとなります。155円の今、並牛丼に相当するPサイズは20.90レアルです。
日本のすき家の牛丼メニュー
ブラジルや南米からの食肉・水産物などの輸出コンサルタントを手掛けるブラジルフードサービス社の小寺健一社長(65、北海道出身、サンパウロ在住)は、「やはり現在の円安は日本の価格に影響している状況で、さらにインフレに合わせてどんどん商品を値上げするブラジルとは異なり、日本には昔から「値上げは悪い事」と言う暗黙の意識があり、それが日本の原料の買い負けの原因にもなっています」と説明します。
ブラジルは米国に次ぐ世界第二位の牛肉生産国で安く牛肉が食べられるのかと思いしかど、高値のつく輸出用価格にも連動して、ブラジル庶民にとっても日常的に買いにくい食肉となっています。
また、レストランもブラジルでは原価が安くてもインフレや先進国にはあまり見られないブラジルコストと言われる税金ほか諸経費が料金に加算されるため、現在では外食全般が、日本の方が安くておいしいと言われる状況になっています。
日本のすき家の牛丼(並盛)
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