ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

前の月へ

2025.2

次の月へ
S M T W T F S
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

2月9日にサンパウロで開催されたブラジル帯畜大同窓会の参加者たち

2月9日にサンパウロで開催されたブラジル帯畜大同窓会の参加者たち

 2月9日、「母校出身の移住者は年々減っていますが、残る仲間と共に同窓会を続けていきます」との開会あいさつで始まったのはブラジル帯広畜産大学同窓会(板垣隆会長)。年々、同窓会員が減少して、今回参加した同窓生は4人。それでも、その家族も含めて13人が久しぶりに顔を合わせ、「予想より多かった」と飯崎貞夫元会長(84)=北海道、酪農学科、1963年卒=は笑顔を見せました。

 前回の2023年9月の同窓会には新制の帯畜大1期生である最年長の永田直春さん(95)=神奈川県=と井田義郎さん(94)=東京都=も参加しましたが、今回は体調不良で両氏とも欠席となりました。


懐かしまれた2009年に長澤秀行学長(当時)が来伯した際の同窓会の記事

懐かしまれた2009年に長澤秀行学長(当時)が来伯した際の同窓会の記事

 今回の同窓会は、今年6月に日本に拠点を移す予定の飯崎さんの送別会も兼ねられました。飯崎さんは、1968年にブラジルへ移住し、ヤクルト商工株式会社の創業に尽力。ブラジルの和牛生産の発展にも貢献し、ブラジル農業界に大きな足跡を残しました。

 また、JICAボランティアとしてサンパウロで活動中の帯広市出身で元十勝毎日新聞社の記者を務めていた松田亜弓さん(33)も参加。飯崎さんや永田さんと同じ帯広柏葉高校の出身ということが分かり、「たくさんの貴重な出会いとなりました」と感想を述べました。


写真や記事で同窓会の思い出や近況を話し合う参加者

写真や記事で同窓会の思い出や近況を話し合う参加者

 歓談では、飯崎さんがこれまでまとめてきた帯畜大同窓会の写真や記事を取り出し、その思い出や歩みを振り返る場面がありました。

 ブラジル帯畜大ネットワークは、1979年に西川義正学長(当時)がブラジルを訪れたことがきっかけで始まったということで、ブラジルの同窓生たちは大人数ではないものの、広大なブラジル全土で夢をかけた少数精鋭の有志たちでした。

 日本とは異なる環境の中で農牧業に従事してきた知見を先輩から後輩に受け継ぎ、また帯広とブラジルを結び付ける場として、年に一度の同窓会を開催し、日本から帯畜大関係者が来伯する際には皆で歓待してきました。


帯広柏葉高校出身の松田亜弓さんと飯崎貞夫さん

帯広柏葉高校出身の松田亜弓さんと飯崎貞夫さん

 各地で孤軍奮闘する同窓生たちにとって、今日のようにインターネットもなく、電話も高額だった時代には、懐かしい母校の話題や、ブラジルでの苦労話を共有できる同窓会は重要な役割を果たしてきました。

 2009年に長澤秀行学長(当時)が来伯した際には、15人ほどの同窓生のネットワークがありましたが、年々会員の高齢化が進み、現在ではさらにその数も減少しています。

 当時から新たにブラジルへ移住する帯畜大の同窓生は少なく、新入会員の増加は望みにくい状況でしたが、その代わりに南米から研修生を母校に送り出すことで、日本とブラジルの関係を維持し続けようという取り組みも行われました。

 今後、さらに会員は減少しても、帯畜大同窓生を通じて培われた帯広とブラジルの間で絆が、新たな形で継続されていくことが期待されています。



レポーター「大浦 智子」の最近の記事

「ブラジル」の他の記事

タグ:

  • 40 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives