
インディーハウスの入口
台北国際ゲームショウの会場では、オンラインゲームのブースが大きく目立つように設けられています。規模だけでなく、活動も充実していて、いろいろ景品を用意しているので、そちらに流れる人も少なくないようです。
その中で、毎年設けられ、世代や好みを問わず楽しめるゲームがそろっているのがインディーズゾーンです。国籍や分野を問わず、ゲームの作り手が丹精込めて作り上げた作品に触れる絶好の機会でもあります。また、ここから未来のヒット作が出てくる可能性もあるので、できるだけ多く見ておきたいところでもあります。
旧正月の連休と重なった影響で飛行機のチケットの手配が難しかったこともあってか、日本からの出展が少なかった感がありましたが、面白いものが見られましたので、紹介します。

酔っぱライジング
過去に何度も紹介してきたミヤザワワークスが出展したのは、昨年発売の「酔っぱライジング」。ごく普通のサラリーマンが、酔っ払うと無敵のヒーローに変身する能力を活かし、侵入先のさまざまなトラップを乗り越えて進んでいくゲームです。
Nintendo Switchのジョイコンを片手に持ってプレイするのですが、モードを使い分けるのが非常に難しいのが特徴です。
サラリーマンモードでは操作通り正確に動ける一方で、一部のトラップに引っかかると一撃で終了。ヒーローモードは、ジョイコンを片手に持ち、体を酔っぱらいのようにゆらゆら揺らしながら操作し、一部のトラップに対して無敵状態でいられるのが最大の武器ですが、一方で階段や坂は登れず、落とし穴に近づくと簡単に転落し、ソファーを前にするとすぐ居眠りしてしまう弱さがあります。
この2つのモードの使い分けは、大人子供とも難しいようで、画面の前で悪戦苦闘する姿を見かけました。担当の方から伺った話では、小さい子供が思うようにいかなくて泣き出してしまい、一緒にいた親がなぐさめていたこともあったようです。
昨年のトイレットペーパーを使った「紙がない」もそうですが、独創的な発想のゲームで来場者をしっかり引きつけているのはさすがです。
【参考】
https://miyazawa.pro/DizzyHero/
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=202422012515

左側のストラップのようなものに注目
日本から出展のLeonasoftwareが開発を進めているキーホルダーサイズの「Thumbylina」。YouTubeのPR動画でも確認できますが、ものすごく小さく、本当に親指サイズで、びっくりしました。以前ならこのような商品は、工場に依頼して一定数製造しないといけないので、大きい額の予算が必要でしたが、今は3Dプリンターの登場で、自己製造が可能になったため、発売前の試作品を持参し、来場者の反応をじっくり見ている様子でした。
かつて流行した「たまごっち」のイメージで、2020年代に蘇った「たまごっち」ならぬ「親指姫」となるでしょうか。
【参考】
https://www.leonasoftware.com
https://geight.io/leonasoftware-《thumbylina》/

W a b i s a b i S u s h i D e r b y
株式会社ロロロ(読み方は「ろろろ」です)内のITAMAE STUDIOは、「Wabisabi SushiDerby」という「寿司育成レースシミュレーションゲーム」を提供していました。
寿司ネタを育て、寿司屋のカウンターで行うレースで他の寿司ネタと勝負をしますが、レース中は自分の寿司ネタを操作することができず、競馬の鞭のような応援をすることは可能ですが、使いすぎると客の箸が自分の寿司ネタに近づいてきてもかわすことができず、食べられて「リタイア」となります。
リタイアとなっても売り上げとして返ってくるので、その資金を元にまた別の寿司ネタを握って、トレーニングし、次のレースに臨みます。
テストプレイでは分かりませんでしたが、寿司ネタには生鮮食品ならではの「鮮度」というものがあり、長く使い続けることは困難。また、調理器具をアップグレードすることで、トレーニングの選択肢が広がるというのもあるそうです。
私はあまりの面白さに2日連続でプレイしましたが、可能ならSTEAM版の発売後に大手回転寿司チェーン店とコラボレーションして、発展してほしいと願いたくなるゲームでした。
【参考】
https://lolol.ooo/wabisabi

昨年も見た莉莉安工作室より
昨年訪問した莉莉安工作室(台湾)は今年も健在でした。
今年は「誰是中之人(中の人は誰)」というゲームで出展しました。
内容は、VTuberのマネジメント会社で起きた殺人事件で、事件が起きた時刻はライブ中で捜査対象者全員にアリバイがあるという状況で、プレイヤーは検察官になって犯人を確保していくものです。イメージは、任天堂のブースで見かけた「逆転検事」に近い感があります。
日本語版もありますが、昨年プレイした「誰是被告人(被告は誰?)」同様、しっかりした日本語が出てきますので、その辺りは心配ないと思います。
来年以降、どんなゲームが出てくるか。今から楽しみです。
【参考】
https://www.liliengames.com
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