
トークを行う謝仕淵氏
台北国際書展(ブックフェア)は、異業種・異分野の交流点としての役割を持っており、気軽に触れられる貴重な場と機会を毎年提供しています。開催期間中、今年は約57万人が訪れ、会場でのトークショーやサイン会などの企画は合計1126回を記録しました。
私の場合、開催期間中に高校バスケ・HBLの男女各8チームによる準決勝リーグ戦、台北国際動漫節(マンガ・アニメフェイスティバル)と重なり、それらと並行して会場を訪れ、様子をこまめに見ていくのはしんどかったですが、何とか見られましたので、今回は活動の様子を紹介します。
1枚目は、過去複数回紹介している台南市政府文化局の謝仕淵元局長ですが、局長時代に手がけていた台南の紹介本をPRするために聯經出版社の特設ブースを訪れ、講演を行いました。

陳柏惟元立法委員
ボードゲームの企画、販売を手がける迷作工作坊もブースを設けていて、最後の3日間にゲストを招き、来場者をうまく引きつけていました。今回は、第二次世界大戦終了から100年が経過した台湾を舞台にしたボードゲーム「2045」のPRがメインで、関連するゲストを招待していました。
2月7日に陳柏惟元立法委員、2月8日に台北市の苗博雅議員が訪れ、1時間程度のトークショーを行いましたが、トークの内容はゲームの趣旨に合わせ、「もし中国が台湾への特殊軍事行動を発動し、上陸作戦を展開したら、どうなるか。また、このような状況を避けるために、今何ができるのか」というものでした。
【参考】
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=202322513431

台北市の苗博雅議員
昨年も会場を訪れた台北市の苗博雅議員は、少し遅れての到着となりましたが、慌てることなく、相変わらずの論点整理力で来場者を引きつけ、警備担当者がやって来て「通路を開けてください」と会場整理を行うほどでした。
【参考】
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=20245160487

2月7日夜のトークショーより
苗博雅議員は、前日の2月7日の夜もメインステージで他のゲストを交えてのトークショーを行いました。テーマが「メンタルヘルス」、「幼少期の脳科学」ということでしたが、ここでも統計に出ている数値を用いた丁寧な説明で、聞いているこちらがびっくりするくらいでした。
余談になりますが、この時に台北市の蒋萬安市長が不安定な心理状態で、自殺しかねない子供たちへの対策が「台北市長から悩めるあなたへの1通の手紙」というものを発信するだったのを受け、「本当に悩んでいる子供たちには全く意味がないし、役に立たない」と一刀両断していました。

日本語教師の金子佑己先生
主に外国語学習の本を出版する日月文化集團は、台北市内で日本語教室を経営している金子佑己先生が、自分が執筆した日本語能力検定(以下、検定)の参考書を記念して、出版社のブースで「検定に向け、どのように学習していくか」といテーマで講演し、日本語学習のコツやツボの押さえ方を来場者に話していました。
講演終了後、金子先生に声をかけ、お話をしましたが、日台のハーフ(父:日本、母:台湾)で、日本語も中国語もしっかりしていて、びっくりするくらいでした。また、明確な信念を持って日本語教育に携わっているのが講演の中でしっかり伝わってきて、「この方の話が聞けてよかった」と思えるものでしたが、同時に「金子先生同様の背景の方が未来の日本語教育を担っていく」と考えると、日本語の指導に携わる自分も気を引き締めていかないといけないと感じました。
講演やトークショーがなくても、訪れる著名な人がいますが、そういう人たちに会える機会があるのも、台北国際書展の魅力だと改めて感じました。
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