フランス

フランス:パリ

別紙 敦子(べっし あつこ)

氏名=別紙敦子
職業=観光業
居住都市=パリ(フランス)とバルセロナ(スペイン)年間1:2の割合で、行き来しています。

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バルセロナ市ゴチック地区フェラン通りの日常の様子

バルセロナ市ゴチック地区フェラン通りの日常の様子

 最近、「オーバーツーリズム」という言葉を、観光客が押し寄せた京都や東京について、耳にしたことが あるのではないでしょうか。

 欧州の幾つかの観光都市でも問題になっていますが、観光は街に多くの収入をもたらすので、市民も容認している人が多いのが実状でした。

 しかし、最近 バルセロナに住む友人Jから「オーナーから退去を求められて困っている」という話を聞いて、もはや、他人事ではないところまで じわじわと影響がきているのを感じました。


シウタベラ地区サンタ・カテリーナ市場の横の通り

シウタベラ地区サンタ・カテリーナ市場の横の通り

 Jの住む建物は、屋根の美しさで有名なサンタ・カテリーナ市場の横にある建物です。

 建物全体を短期宿泊施設にするため投資した外国人に買い取られ、いきなり住人に立ち退き命令が出されたのです。

 Jは、住宅価格が暴騰しているバルセロナ市内で、同額で容易にアパートを見つけるのは至難のことですから、契約期間がまだあるという理由で、退去拒否。


違法な観光事業に対する暴力的ないじめに耐えると記載された黒いパネル

違法な観光事業に対する暴力的ないじめに耐えると記載された黒いパネル

 それでも、しつこく騒音などの嫌がらせを受け、周りの住人は、2家族を残して皆、建物から引っ越してしまったそうです。

 それで、Jは悩んだ末 選んだ道が、報道メディアに連絡して、事を公にしました。これにより、役所もこの問題を大事に受け止め、動き始めたそうです。私は、Jの負けずに立ち向かう行動力に感服しました。


他に、立ち退き問題で各社が取り上げ有名になったエシャンプラ地区の建物Casa Orsola

他に、立ち退き問題で各社が取り上げ有名になったエシャンプラ地区の建物Casa Orsola

 今回、私はJのおかげで、観光業は街を活発で魅力的にするが、現地住民の生活への影響が大きすぎるということを実感しました。

 交通費・家賃・物価の高騰・ごみ問題などの『オーバーツーリズム』を抱える市民。観光人気都市と単に喜べない時代に、バランスの難しさを感じているに違いないと思います。



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