
6月に訪れた高雄市内の牛樟之生産拠点
みなさんは「牛樟之」という霊芝によく似た菌類をご存知でしょうか。私は、知人から「『牛樟之』という台湾固有のものがあって、それが高雄で生育されているところがあるんだけど、よかったら見学してみないか?」と言われるまで、どんなものか全く知らず、興味もなかったのです。
今回、機会をいただき、中の様子を見るだけでなく、お話も伺うことができましたた。
日本にも関連製品が輸出されているということでした。どんなものなのか、以下触れていきます。

入口を入ってすぐのところにある棚には、製品化された健康食品が展示
「牛樟之」は、英語名「Taiwanofungus camphoratus」と呼ばれ、初期の発見時は霊芝によく似た感じの菌類とされてきました。
いただいた資料によると、もともとは台湾の「原住民」と呼ばれる先住民族たちが飲酒のお供として偶然出されたことがきっかけで、二日酔いや飲酒が原因で起きる肝臓疾患などに効果がある成分が含まれていることが発見され、それ以来「森の赤い宝石」などの別名がつけられるようになったそうです。
それが一般の人たちに広まり、成分に関する研究も進み、糖尿病や高血圧などの慢性疾患にも効果があることが、研究機関の論文でも発表されるようになり、現在ではさまざまな製品が開発されています。

牛樟之の生育場の入口にある撮影禁止の張り紙
到着後、オフィスで説明を受けましたが、「自然の恩恵を受けたものは自然に返さなければならない」ということで、牛樟之を育む木を30年以上かけ、1万本以上植樹する取り組みもしていると知り、環境保護への意識の高さを感じました。
台湾の牛樟之を中国へ持ち込んで、生育したものも販売されているそうですが、土や環境の違いからか、台湾のとは全然違うものになっているそうです。
説明を聞いた後、牛樟之の生育現場を見学。入口で上の写真のような貼り紙を見たとき、「本当にここへ入っていいのだろうか」と思いましたが、担当の方の「生育の現場を知ってもらいたい」との言葉で、撮影が許可されました。

生育されている牛樟之
白衣を着用し、頭髪が落ちないよう衛生キャップもつけた後、靴の裏の汚れを取るシューズワイパーに乗り、中に入りました。
中に入ると、オフィスのように冷房と除湿は効いておらず、「湿気を食らう」と言われる牛樟之の生育環境に合わせ、湿度は80~90%になるように調整されており、施設の天井に水滴がつき、今にもしたたり落ちそうな感じの空間でした。カメラを持参して上の写真を撮影しましたが、湿気でカメラがやられてしまうのではないかと気が気でありませんでした。
加えて6月の高雄の暑さで、長時間入って作業するのが困難な現場であるように思えて仕方がなかったです。

牛樟之の生育はQRコードで厳格に管理されています
牛樟之の生育に使われる木は、それぞれQRコードが貼り付けられ、生育した牛樟之だけでなく、どの木からどれだけ生育したか、などを管理されています。記録から、どの木からの牛樟之が生育がよいか、また生育のよい木のルーツをたどって、効率化を図る目的にも使われているようです。
QRコードを使う前は、全部ノートなどにメモをとり、それをコンピューターに入力していたが、今はスキャンすることで直接入力できるので、本当に楽になったそうです。
気になる牛樟之製品ですが、木材の芳香剤に使われている香りがするのが特徴です。お茶などに入っているものを試食・試飲した限りでは、苦味が強い気がしました。「良薬は口に苦し」という言葉を思い出すくらいの味でした。
【参考】
http://www.health-sane.com.tw
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