ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ノッサ・セニョーラ・ダ・ルス修道院の礼拝堂にあるガルボン修道士の棺の前で祈る人々

ノッサ・セニョーラ・ダ・ルス修道院の礼拝堂にあるガルボン修道士の棺の前で祈る人々

 サンパウロ市のルス地区には1774年に建設されたノッサ・セニョーラ・ダ・ルス修道院があります。
 この修道院はフレイ(修道士)・ガルボン(1739‐1822)によって建設されました。


丸薬をもらうために並ぶ人々。壁にはフレイ・ガルボンのアズレージョ(タイルの絵)が飾られている

丸薬をもらうために並ぶ人々。壁にはフレイ・ガルボンのアズレージョ(タイルの絵)が飾られている

 フレイ・ガルボン(本名:アントニオ・デ・サンターナ・ガルボン)はサンパウロ州のグァラチンゲタに生まれました。
 生涯を神職に生きたフレイ・ガルボンは、生前、祈祷文を綴った紙を小さく丸めた丸薬を作り、それを飲んだ信者たちの難病を治すという奇跡を起こしたそうです。死後もその力が信じられ、現在でもルス教会や出生地のグァラチンゲタの教会では同じものが作られています。


丸薬を受け取る人

丸薬を受け取る人

 丸薬は礼拝堂の横でもらうことができ、いつも訪れる人が後を絶ちません。
 窓口で丸薬を受け取り、お布施を置いて、窓の回転扉を回します(お布施は払わなくてもいいのですが)。
 受け取る丸薬は3回分あります。一緒にもらえる紙にはその飲み方と祈りの言葉などが記されています。
 


指の上に小さく収まるほどの丸薬

指の上に小さく収まるほどの丸薬

 紙に書かれたお祈りを9日間毎日唱え、1日目と3日目と9日目にお祈りをした後、丸薬を飲むそうです。そうすると奇跡が起こるのです!
 現在は祈りの言葉が書かれた紙の断片が小さく丸められています。


ブラジルの植民地時代によく見られる造りのノッサ・セニョーラ・ダ・ルス修道院の外観

ブラジルの植民地時代によく見られる造りのノッサ・セニョーラ・ダ・ルス修道院の外観

 2007年の5月11日にはローマ教皇ベネジクト16世がブラジルに訪れ、今日まで続くフレイ・ガルボンの丸薬の奇跡が認められました。
 フレイ・ガルボンを改め、サン(聖)・フレイ・ガルボンというカトリックの聖人に叙せられました。ブラジルにはカトリックの聖人が4人いますが、ブラジル生まれの者が聖人になったのは初めてのことです。
 フレイ・ガルボンの遺骸はルス教会の礼拝堂で永眠しています。棺の前では願い事を書いた紙を籠に入れ、お祈りをする人が毎日訪れています。


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