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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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試合後、コーチに叱責されて涙する選手たち(2010年11月16日撮影)

試合後、コーチに叱責されて涙する選手たち(2010年11月16日撮影)

 正月企画でも紹介させていただいた台湾の高校バスケHBL。
 1月3~9日まで男女8チームによる準決勝リーグが開催されました。

 今回は、選手達が大会を通して大きな成長を見せた金甌女中(ジンオウニュージョン)を紹介します。


今年からヘッドコーチ(以下HC)に就任し、ベスト4へ導いた傅姿伶(フー・ズーリン)HC(左で選手にささやいている女性)

今年からヘッドコーチ(以下HC)に就任し、ベスト4へ導いた傅姿伶(フー・ズーリン)HC(左で選手にささやいている女性)

 金甌女中は、私立で正式名称は金甌女子高級中學。
 学校は、本校が観光名所でおなじみの中正紀念堂の東側にあります。本校のある場所は、日本統治時代に吉見女子裁縫学園があったところです。学校には応用日本語学科もあり、日本語教育にも力を入れています。

 以下チームを紹介します。

 金甌女中は、1988年にHBLが開催されてから、ベスト8入りを逃した事は2年前まで一度もありませんでした。また、優勝回数も6回と「強豪」と呼ぶに相応しい成績を収めてきました。

 しかし、近年は低迷。2年前は7位、昨年はベスト8入りを逃しました。
 
 そこで今年から、OGで台湾代表の選手としても実績のある傅姿伶さん(上の写真参照)をHCとして招聘。再建へ着手しました。


9日の試合終了後は、学校関係者にねだられて記念撮影ポーズです

9日の試合終了後は、学校関係者にねだられて記念撮影ポーズです

 前年ベスト8入りを逃した金甌女中は、昨年11月の予選にエントリーするための予備予選から出場。難なく勝ち上がり予選出場を決めました。

 ところが、11月の予選はいい結果を残す事ができず、1枚目の写真のように試合後コーチに叱責されて涙する選手もいました。実際、リードしながらも終盤で競り負ける試合が多くあったからです。

 かろうじて最終日の準決勝リーグ出場チーム決定戦で2連勝して、ベスト8入りしました。


祝福ムードもそこそこに、選手達はコーチ達に呼ばれて、試合内容の悪さを叱責されました

祝福ムードもそこそこに、選手達はコーチ達に呼ばれて、試合内容の悪さを叱責されました

 そんな彼女達は、11月の予選で競り負けていたチームに勝ち、4勝3敗でベスト4入りを決めました。

 決勝トーナメント進出を決めた3勝目をあげた試合は、途中10点差以上の劣勢を逆転、1点差での勝利でした。後で聞きましたが、その時の選手達は、みんな歓喜の涙を流していたそうです。


その叱責後、涙に暮れる選手(右)は違うコーチに慰められています

その叱責後、涙に暮れる選手(右)は違うコーチに慰められています

 最終戦も勝利し、3枚目の写真のように学校関係者から祝福を受けましたが、優勝が見えたチームには、その余韻は一時的なものでしかありませんでした。

 選手達は4枚目の写真のように、すぐコーチ達から呼ばれ、試合内容の悪さを長い時間をかけて厳しく叱責されました。
 コーチの話の聞きながら涙を流す選手も何人かいて、すぐ上の写真のように別のコーチが慰める、という光景もあり、勝ったチームの試合後とは思えないものになりました。

 金甌女中の選手達は、他の強豪校と違い、身体能力と体格で恵まれている選手がいません。でも、そんな選手達が短期間で成長し、たくましくなっていきました。その根っこにあるは、写真にあるような厳しさだけでなく、前出の傅姿伶HCのチームと選手達への癒しキャラ的愛情もあると思います。

 決勝トーナメントは2月26、27日に行なわれますが、金甌女中の選手達がさらに成長した姿を見せてくれることを期待します。


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