世界遺産ローマ歴史地区内での野営(飲食)禁止令発令
2012.10.21 up
ローマ市公式サイトよりダウンロードした市長命令
10月3日付、ローマ市公式サイトより:
http://www.comune.roma.it/wps/portal/pcr?contentId=NEW371259&jp_pagecode=newsview.wp&ahew=contentId:jp_pagecode
「タイトル:品位を保ち、野営防止に対する市長新命令
ローマ市長ジャンニ・アレマンノ氏はローマ歴史地区の価値を保護する為の緊急命令を発令しました。
“ローマ市内の、歴史的、芸術的、建築的、文化的価値ある歴史地区において”2012年12月31日までの措置として、野営したり、粗末な寝床を設けたり、飲み食いをする為にとどまることを禁止する。違反した場合は、委任立法令2000年267号7bis条に従って、最低25~最高500ユーロの罰金を支払わなければならない。」
スペイン広場の階段を背景に市長命令公文書
このサイト記事内の赤印の命令をクリックすると、発令された命令の公文書が出てきます。
これに目を通すと、ローマ市条例や国の法律などにより文化財の価値を保護し守る義務があり、歴史芸術的要素に見合わない使用やその維持を損ねてもいけない。世界的にも価値ある唯一の財産として、1980年にローマ歴史地区が世界遺産として登録されている。
特に同地区内の広場の階段、記念建造物や芸術的泉の近くには、観光客や市民で溢れ飲食し、都市の品格を保つ基本的規定に反するエピソードが確認され、沢山の飲食物のゴミや危険な液体の滴も見られる。故に、文化財への危険が高いのでそれを守る為にも発令する。
スペイン広場の階段にて、持参のパンをつまむカップル
マスメディアのニュースではこの発令の中の一部を強調し、「スペイン広場の階段やナボーナ広場での“野営禁止”ならぬ“パンやサンドイッチ禁止”」、「ジェラート激戦区のパンテオンの横を囲む壁や広場に座ってジェラートを食べると、罰金の危険?」、「観光客や市民の安い早飯が、高額の罰金を招く」など。
スペイン広場の階段にて、小箱入りアイスを食べるカップル
歴史地区内に住む住人団体は、”なんでもあり”という礼儀正しくない態度への処罰として大賛成ですし、イタリア人の反応も賛成者が多いです。しかし基本的にイタリアの学校遠足では各自サンドイッチ持参で、良識の範囲内で場所を選んでいると思いますが、公園でなくても、お昼の時間に居合わせた場所や観光バスの駐車場で、立ちっぱなしあるいは地べたに座り食事をするのも現状です。
スペイン広場の階段にて、小箱入りアイスを食べるカップル
発令後初の土曜午後のスペイン広場に訪れてみました。
実際監視すべく市警察官はいても、溢れる人ごみに紛れ込みながらも発令を知らない観光客は、階段に座り平気でジェラートや持参のサンドイッチを食べる光景が見られました。
オードリーヘップバーン主演映画「ローマの休日」で、スペイン広場の階段で立ち止まりジェラートを食べる有名なシーンを真似ることも出来なくなってしまうのでしょうか?
レポーター「菅谷 桂子」の最近の記事
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タグ:観光、世界遺産、飲食
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