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台湾総統選挙、選挙前日に見る民進党・蔡英文候補の敗因
2012.01.16 up
13日12:30頃に台北市内の特設ステージで遊説する総統候補の蔡英文(ツァイ・インウェン)氏。その右は、副総統候補だった蘇嘉全(スー・ジャーチュエン)氏
現職の国民党・馬英九総統の再選で終わった台湾の総統選挙。
敗れたとはいえ、前回の2008年に行なわれた総統選挙よりも多くの票を集めた民進党の蔡英文氏。同時開催の立法委員の選挙で、民進党は前回より13議席多い40議席(全113議席)を獲得する健闘を見せました。台湾の報道などでは、政策や選挙対策などの視点から敗因分析が行なわれていますが、それ以外で敗因がなかったのか。
投票前日の遊説、新北市・板橋での前夜集会の様子をもとに紹介させていただきます。
13日19:30から行なわれた民進党の前夜集会
まずは、1枚目の写真の台北市内の遊説から。
1時間以上前から人が集まり、遊説の様子を見守っていましたが、その熱気、盛り上がりは低調。声援はあまり大きくなく、マラソン中継で見かける沿道の風景に近い感じでした。
その後、選挙カーを降りた蔡英文氏は、上の写真のように集まった支持者たちに演説を行ないました。私がこの位置から余裕で写真が撮れるくらいですから、その盛り上がり状況はある程度想像がつくと思います。
壇上で応援演説をする李登輝(リー・デンフイ)元総統
それは、夜の前夜集会でも同じでした。
以前、陳水扁前総統時代の前夜集会に行ったことがありますが、その時はあまりにも人が多く、入場すら出来ませんでした。それが、こちらで紹介しているような感じで写真が撮れる状態でしたので、その集客力もおおむね想像できると思います。
上の写真の李登輝元総統が登場して応援演説を行なったときが、入場者も盛り上がりもピークの時でした。
蔡英文氏の演説を見守る支持者
李元総統の演説は、主役の蔡英文氏の前に行なわれました。
しかし、李元総統の演説終了後、前方に陣取っていた支持者たちが続々と家路につく姿が見られました。これはスタンドも同じだったようで、少しずつ空席が目立つようになってきました。
それは、「人を引きつける」という点で、蔡英文氏に魅力が足りないことが証明された瞬間でした。また、李元総統や民進党の重鎮たちと並んだ際の存在感も薄い感じがしました。
中央で演説する蔡英文氏
蔡英文氏の演説が始まってから、帰宅を急ぐ人達が立ち止まって話を聞く、という光景は最後まで見られませんでした。
演説時の話し方は、大学教授をしていた事もあってか、終始落ち着いた感じ。抑揚のつけ方も単調で、まるで大学で講義を受けているような感じでした。
それを聞いている支持者たちも、一見盛り上がっているように見え、ノリは今ひとつ。
陳前総統時代は、甲子園球場の阪神ファンの盛り上がりに似ているところがあり、地の底からわき上がるような声援で力強さありました。
一方で、蔡英文氏のものは、その時より明らかに劣り、支持者の心をうまく掴みきっていない印象を受けました。
もう一つ気になったのは、15日のある新聞で見かけた記事。
それによると、蔡英文氏は裕福な家庭で育ち、ロンドン留学も経験。27歳で大学教授に就任した才覚の持ち主だそうです。そのためか、育ちの良さ、スマートさが前面に出ていて、なかなか共感を持たれにくい雰囲気を醸し出していました。
また、そつなく川が流れるように演説する姿からは、「みんな! あたしについてきて!」とか「何が何でも総統になりたい!」というリーダー特有の情念や気迫もなかなか伝わって来ませんでした。
多くの人は、その様子から「この人に未来を託して大丈夫かな……」という不安を抱いたのではないかと思います。
報道されている部分だけでなく、それらが幾重にも重なったことが、蔡英文氏の敗因につながったのではないかと私は見ています。
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