イタリア人も予期しなかったサッカー欧州選手権での準優勝
2012.07.04 up
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今回のユーロ2012、イタリアサッカー業界は沈滞ムードで開催を迎え、開催前イタリア人達は誰も決勝戦までいけるとは予期しませんでした。
道路脇で販売されるイタリアサッカー応援グッズ
5月中旬に浮上した、現役トップクラスのサッカー選手達も巻き込んだイタリアサッカー賭博疑惑。この直後、国民皆サッカー気質のイタリア人でさえも、サッカー業界に対し嫌気がさしたほど。加えて5月末日にはモンティ首相が、「イタリアサッカー業界は2年間休止すべき」という挑発的発言をし、主要紙コリエレ・デッラ・セーラの調査では、回答した人の49%が同首相に同意するという結果も出たほどです。
街角に掛けられた欧州選手権、勝利願望の垂れ幕
イタリア・セリアAなどクラブは、世界の優秀な外国人選手を集めているから強いのであって、実際クラブに所属する選手の国籍は、イタリア人と外国人が半分、あるいは殆どが外人選手で構成している強豪クラブもあるほどです。ナショナルチームは国としての期待が高い割に、即席で準備しているのも現状です。
賭博疑惑に加えナショナルチームの弱みをよく知るイタリア人達は、開催前しらけたムードでした。優勝候補からも程遠かったのに、試合を重ねるごとに着実に前進するイタリアチームに、イタリア人に潜むサッカー熱、愛国心が蘇ったのでした。地下鉄、バール、病院、人の集まる場所どこでもサッカーの話題で持ちきりでした。
イタリアが試合中は、町の中は閑古鳥状態。友人宅やレストランなどに集まっては試合観戦。試合前の国歌斉唱ではTVのボリュームを最大にして流し、得点するとラッパをならし、叫ぶ。試合に勝った終了後は巨大花火を揚げたり、クラクションを鳴らす車で町は騒がしくなります。
今回決勝戦では、大都市は広場に巨大スクリーンを設置し特設会場を設け、人々はイタリア色で仮装し集まり観戦したのでした。ローマはチルコ・マッシモに4台の巨大スクリーンが設置され、夕方には20万人が集結したとニュースで流れていました。本日は地下鉄の終電を1時間遅らせ、1:30まで運行させたほどです。
バロテッリ・イタリアンカラースタイルで応援する若者のTV映像
最後人々の期待が盛り上がる中、残念ながらイタリアは力を発揮できず敗退。
試合中も終了後も町の中は静まり返っていました。
予期せずした決勝進出には、それまで一切コメントも出さず、先にサッカー業界に一喝を入れたモンティ首相も会場に駆けつけ観戦しました。試合後の記者会見では、「夢を与えてくれた選手達に、我々は誇りに思うべきだ」と選手達を称える発言。
イタリアチームの準優勝は、サッカー賭博により失った信頼を取り戻し、人々に希望を与えたのでした。きっと9月の新学期のサッカー教室に通う子供達も増えることでしょう。
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