ローマ教皇突然の退位表明ショックと総選挙前の騒々しいローマその1
2013.02.14 up
サン・ピエトロ寺院前広場でバチカン刊行新聞を広げて
2月11日の枢機卿会議の終了間際の正午前、ベネディクト16世教皇は流暢なラテン語で退位を表明されました。2ヵ月後に86歳を迎える教皇は、複雑に変動する現代社会の中でカトリック教会を統轄することに、高齢による体力と精神力の限界を感じ、教会の為にも悩み考えた末での決断をされました。2005年4月25日在位から8年を迎えようとしますが、2月28日20時に退位されます。
12日発売イル・メッサジェーロ紙一面タイトル”教皇ショック”
現代の通信手段を駆使し、ネットやTwitterを通じて即座に速報され、テレビでは昼から夜まで、このニュース一色でした。
あまりの突然な表明に、バチカン市国の関係者も動揺隠せず対応に追われていたようですが、一般市民も同じ。現在謝肉祭(カーニバル)中で初めてニュースを聞いた時、「洒落にならないカーニバルのジョーク」と、皆疑ったようです。
サン・ピエトロ寺院脇で報道陣がインタビューする
600年ぶりの教皇退位表明は異例なことで、近代においては前例がありません。
教皇の死をもって新たな教皇が生まれるというのが、通常の人々の観念であり、カトリック教会にとっても革新的な行為でした。イタリア人を初めカトリック教信者にとっての驚きは想像以上のものです。比べてはならない、まだ記憶に新しい前任のヨハネ・パウロ2世は、歴史が変わる中、在位期間も27年と長く、晩年は持病を隠す事無く長期間病気と戦いその時を待った教皇(享年84歳)。一方、教皇はご高齢ながらも、3ヶ月前に心臓ペースメーカーの交換手術を行ないましたが、一見ご健康に見られてそれも対照的です。何故この時期にというのが、多くの人の疑問でもあります。
寺院入場のため列に並ぶ観光客にインタビューする報道陣
今週はカトリック行事が重なり、11日は世界病者の日、13日は灰の日。その後3月31日の重大行事復活祭までの大事な準備時期を迎えます。
2月28日に教皇が退位され、3月中旬にコンクラーベ(教皇選挙枢機卿会議)を行ない、復活祭には新教皇を迎えていなければなりません。
サン・ピエトロ広場外にテントを張り待機する報道陣
レポーター「菅谷 桂子」の最近の記事
「イタリア」の他の記事
- 1187 ビュー
- 0 コメント
- 2016年9月(1)
- 2016年2月(1)
- 2015年3月(1)
- 2015年2月(1)
- 2015年1月(2)
- 2014年2月(1)
- 2013年5月(2)
- 2013年4月(2)
- 2013年3月(1)
- 2013年2月(4)
- 2013年1月(1)
- 2012年12月(2)
- 2012年10月(1)
- 2012年8月(1)
- 2012年7月(1)
- 2012年6月(2)
- 2011年10月(1)
- 2011年7月(1)
- 2011年6月(1)
- 2011年5月(2)
- 2011年4月(3)
- 2011年3月(3)
- 2011年2月(3)
- 2011年1月(2)
- 2010年12月(3)
- 2010年11月(1)
- 2010年10月(3)
- 2010年9月(1)
- 2010年8月(1)
- 2010年6月(2)
- 2010年4月(2)
- 2010年3月(1)
- 2010年2月(3)
- 2010年1月(4)
- 2009年11月(1)
- 2009年10月(5)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(1)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(4)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(9)
- 2009年3月(1)
0 - Comments
Add your comments