
海賊版反対を訴えるポスター
昨年、日本のAVメーカーのTMAとその系列のTamaToysのブース出展の様子を紹介しました。その時、出展がAVの海賊版がはびこっている今の台湾の現状を打破するための意思表示の1つである旨の書き込みをしましたが、今年は更に踏み込んだ形となりました。
その1つが、上の写真の海賊版撲滅を訴えるポスター。
日本語のメッセージも添えられています。

場内に設けられた台湾向け正規版AVの販売コーナー
また、上の写真のように台湾向け正規版AVの販売コーナーも設けられていて、設置されていたモニターではセクシー女優たちが海賊版撲滅を訴えていました。
上の写真のコーナーに置いてあったAVは、これまで紹介したセクシー女優9人の作品が中心に置かれていました。そのパッケージを見たら、日本向けのバーコードとその横にある注意書きの上に、台湾向けのものが貼られ、背表紙も日本の価格がそのまま表示されていて、日本で製作されたものであることがすぐ分かるようになっています。
そこで気になるのが、台湾正規版の価格。
2,980円の作品が450元(約1,503円)、3,980円の作品が550元(約1,837円)という感じの設定で、台湾で発売されている映画DVDの価格帯に合わせて設定されています。実際、来場者からは「この値段だったら買えるかな」という声も聞かれました。

台湾向け正規版AVを販売している東夢DVDショップ
海賊版撲滅のポスターとアダルトエキスポの販売コーナー設置をはじめ、台湾向け正規版AVの販売を手がけているのは、台北市内にある上の写真の東夢(ドンモン)DVDショップ。
店内には、日本とほぼ同時に輸入された新作のAVも置かれていましたが、作品の新旧を問わず価格はアダルトエキスポと同じ設定です。ただ、輸送や製造などの経費を考えると、台湾の価格設定は日本の価格に合わせて1,000元(約3,340円)以上の設定でもおかしくないところです。
参考までに、台北市内の日系書店にある日本の書籍は、日本の販売価格+αの金額を台湾元に置き換えて販売されています。この現状から見ると、日本のメーカーは利益よりも“海賊版撲滅”という大義を優先した格好です。

台北市内で販売されている海賊版AV
一方で、台北市内で見つけた販売店にあった海賊版AVは1枚50元(約167円)。まとめ買いの割引だけでなく、会員割引もあり、サービスも充実しています。
上の写真でパッケージがないものはDVDディスクのみですが、パッケージがあるものでもスキャニングしてジャギーが目立つ粗いプリントのものはさまれ、プラスチックのケースはありません。肝心の画質や動作についても、いいものもあれば悪いものもあり、買うときはくじ引きをするような感覚ですが、そういった事情を度外視しても欲しい人たちにとって、この価格は間違いなく魅力的に映るでしょう。

TMAのブースを囲み、中にいるさとう遥希と篠宮ゆりの撮影をする来場者
今年は過去最高の9人のセクシー女優が集結しました。
me-me*の6人、TMAとTamatoysのさとう遥希と篠宮ゆり、アダルトグッズ販売店の辰巳ゆいは、同じ舞台に立つことはなかったものの、9人が同じ会場に集まったことで、“海賊版撲滅”へ向け日本側の強い意思表示をし、アピールすることができたのではないかと思います。また、それが今年のアダルトエキスポを開催する最大の意義だったと思います。
海賊版がなくなり、台湾向け正規版AVの販売が軌道に乗るためには、日本の業界側の更なる団結以上に、台湾側も固定観念にとらわれず、時代と現在の価値観に合った著作権関連の法整備が進むかどうかが、今後のカギとなりそうです。
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1 - Comments
石田より:
2013 年 09 月 26 日 20:54:44
海賊版は、安く買えるから良いと言う人もいますが、
作品の作者に対して利益が入らないというのでは、だんだん制作する人がいなくなってしまいます。
好きなアーティストの作品は、正規品を買うべきです。
がんばれ、撲滅運動!!
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