ローマ泥棒事情その2ー最近の手口 続編
2013.10.01 up
公園警備の騎馬警官が優雅に通る自宅前
最近の泥棒達は家主が家にいようと堂々と入ってくるお話を前回しました。ワゴン車で夜中徘徊していて、ここだと直感で入ってくることもあるそうですが、他のパターンとして1週間程観察をして全ての情報をもって入ってくることもあるそうです。
イタリアでは朝、ランチの後、そしてちょっとした休憩時間等にバールに行ってカフェを飲む習慣があります。特に朝は家の近所に行きつけのバールがあって、そこでカフェをクッと飲んでから通勤するビジネスマンも多いのです。その中に泥棒は一般市民のフリをして普通にカフェを飲んでいます。
彼らはスリなんかしません。
カフェを飲む腕もとの時計や会計の時に出すお財布、服装、鞄、靴などをじっくり観察してターゲットを定めます。もちろん、どこに住んでいるか知ることも彼らにとっては簡単なものです。
イタリアではバールは行きつけのバールに行くのがごく普通なので、毎日泥棒が朝昼晩と顔を出したところで誰も怪しんだりしません。約1週間かけてターゲットを何人か物色し、一気にまとめて一日で仕事を終えたら、また他のエリアに移動。同じことの繰り返しです。
イタリアは泥棒の検挙率が極端に低いので近隣諸国から泥棒プロ集団が流れ込んできているのだそうです。
そしてターゲットが出かけている週末などではなく、なんとわざとぐっすりと眠りについている頃に、ターゲットが自宅にいる時を見計らって侵入してくるのです。
なぜなら、ターゲットが家にいる、すなわちあらかじめ観察済みの価値のある時計やお財布、薄型ノートパソコン等、明くる日の仕事に行くために用意して、ベッドルームのサイドチェストの上に並べて置く人が多いからだそうです。
まさか、ベッドルームに泥棒が入ってくるなんて思いませんから、毎日金庫に毎日使う時計やお財布をいちいち入れて寝る人はいませんよね!
時計、現金、ジュエリー、ノートパソコンだけのために自分達の危険を犯してでも入ってくる泥棒集団。
次回はどのように防止していけば良いのかについて書いてみたいと思います。
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3 - Comments
いとうより:
2013 年 10 月 02 日 10:28:57
いとうです。
あの?確かに情報を事前に収集し、その人が在宅しているときを狙うと、
通常持ち歩いているものが身の回りにある、ということはわかります。
しかしながら、だからといって、いるのをわかっていて侵入するなんて
今までの感覚では考えられません。すっごく、怖いです。
続編の対策についてお待ちしています!
道下より:
2013 年 10 月 02 日 10:57:58
あくまで想像ですが、家主と鉢合わせになれば何等かの凶器を取り出して危害を与えるんでしょうね。それはもうただの泥棒ではなく、凶悪強盗犯ですね。
ミカ ガリアーノより:
2013 年 10 月 05 日 22:30:18
いとうさん、道下さん、コメントありがとうございます!
そうなんです、人が在宅していても入ってくる泥棒は、すでに泥棒とは呼べず、まさに強盗ですよね。最近はローマのイタリア人老夫婦の家に泥棒が侵入して、ご主人が所持していたピストルで犯人を撃ち殺したことがニュースに上がりました。この手の泥棒のほとんどはイタリア人ではなく外国人なんです。そして外国人の泥棒が家に入ってきたから撃ち殺した、何が悪い!と思い始めるイタリア人も出てきました。このような醜い事件が少しでも減ってくれるように願うばかりです。
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