小学四年生 進路を決める大事な時期
2014.02.25 up
4年生でもう進路決定?!それぞれの道へ進みます
1月が終わり、ドイツの小学校では前期の通知表が配られました。
小学校は4年生で終わり、5年生からは上の学校へと進路が分かれます。その進路が、4年生前期の成績をもとに決定されるため、今回の通知表は、4年生の息子を持つ我が家にとって、重要な意味を持つことになります。
小学校の1,2年生は通知表は年度末(夏休み前)に一度きりですが、3年生以上になると、前期と後期、二度配布されるようになります。成績は6段階評価でつけられ、1が最も良く、数字が上がるにつれて評価が下がっていきます。科目は、学校や州によっても違いがあると思いますが、息子の通うヘッセン州の公立小学校では、ドイツ語(国語)、算数、教養、英語、体育、芸術、音楽、宗教の8科目に、授業態度と社会的態度の2項目が加わった10項目に数字で評価がつきます。
多くの場合、1から4の間の数字がつくようですが、5や6があると場合によっては、留年ということもあるようです。日本では義務教育期間の留年なんて話は耳にしたことがありませんでしたが、ドイツでは小学校入学も1年遅らせたり、小学校でも留年する子供や、逆に飛び級する子供もいて、年齢よりも子供の能力を優先させる考え方です。
5年生からの進路ですが、大きく分けて3つあります。大学進学を見据えた学校(8年もしくは9年間のギムナジウム)、実技や職業訓練に重点を置く学校(6年間のレアールシューレ)、基礎知識を学ぶ学校(5年もしくは6年間のハウプトシューレ)です。州によって違いがありますが、ギムナジウムに進学したい場合、担任教師の推薦状と平均成績がある程度上位(2~2,5くらい以上)である必要があると言われています。昔は担任教師の判断に大きな影響力がありましたが、最近は法律の改訂や見直しが行われてきており、ヘッセン州では親(子供)の希望が通るようになってきています。成績が及ばなくても、親が望めば、ギムナジウムに入ることもできるということです。
入学した後も学校変更は可能で、例えばレアールシューレからギムナジウムへ移ることもできます。ただ、ある程度の成績が必要で、学年が上がるにつれて、授業内容に差が出てくるので、後で難しい学校への編入は大変なようです。逆に、ギムナジウムが合わなかったら、レアールシューレやハウプトシューレに変更することもできます。
先日行われた進路面談で、息子の担任の教師は「4年生で進路を決定するのは早すぎると思う。これから伸びる子供もたくさんいるし、今の成績で将来を決定するのは難しく、これを担任ではなく親が選んで決めるのは正しい流れだと思う。」と話していました。
息子の友達の中には、すでに将来の夢がはっきりしている子供もいて、小さい頃からどんな仕事をしたいのか?何になりたいのか?考えさせる場面や、問いを投げ掛ける機会を親がつくってきたのかなと感じます。我が家の息子はまだよくわからないということなので、とりあえず将来の選択肢が多いギムナジウム進学を考えていますが、どうなることでしょうか。これから学校選びに親子で悩まなくてはなりません。
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6 - Comments
かなやより:
2014 年 02 月 25 日 17:29:21
小学4年生で進路決定とは確かに早い気もします。でも、自分自身を振り返れば、決めはしなくても、その頃から進みたい方向を考えることだけでもしておけば…とも思います。
べっしより:
2014 年 02 月 25 日 23:05:36
興味深いですね。
欧州を支えるドイツらしさを感じました。
これからも、記事楽しみにしています。
上原飛鳥より:
2014 年 02 月 26 日 03:27:08
かなやさま
いつもコメント、ありがとうございます。
こちらの子供は小さい頃から自立心があって、親のしつけの違いだなぁと感心させられます。
上原飛鳥より:
2014 年 02 月 26 日 03:29:12
べっし様
コメントをありがとうございました。
所変われば。。。ですね。それぞれの国での子育て興味深いです。
私も別紙さんの記事を楽しく拝見させてもらっています。
tomokoより:
2014 年 02 月 27 日 12:23:43
とても興味深いです。成績表はサンパウロ州立学校は10段階評価で10が最高でした。今のブラジルは、日本の幼稚園年長組で1年生になり、6年生からが日本でいう中学校になります。高校と大学は確か日本と同じ年齢で同じ年数です。進路問題、難しい、というか、超格差社会みたいなお国柄ブラジルで、基本、お金持ちの子どもはまあお金持ちになれるみたいな。学校の影響は微力なんじゃないかなと思えてきます。もっとも、没落貴族になることもあるのはどこの世も同じのようですが。さらに言えば、神様次第なお国柄です。自らを救うものを救う(頑張り次第)というのはプロテスタント的発想でしたっけ?ブラジルはまさにカトリック的神様論(宿命論みたいな)が今も根深い気がします。それはそれで、多分、それぞれがそれぞれで許されるという気楽さにもつながると思うのですが。どんな宗教とか倫理観かとか、人々への影響は少なからずあると思います。人間個人というよりは、人間が生きるもっと大きな社会への影響って避けがたいものがあるのではないかと。一応、大学は出ないよりは出た方がいいのかなとも思う一方で、出てもどうなんだと思ったり。でも出ないとさらにどうなんだと思ったり。ブラジルはあまり日本の物差しで進路を考えるのも今一に思えてくるのですが、日本にルーツがある子どもだしなあと思って、とりあえず近頃は息子には漫画の日本史、世界史と合わせてやや選民思想をあおっています 笑
上原飛鳥より:
2014 年 03 月 04 日 02:34:44
10段階評価って、細かいね!おおらかな国というイメージですが、評価はきっちりしているんだね。海外での子育て、慣れない事の連続ですが親子ともに学びながら、何とかやっていきたいです。
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