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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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台北市立中山女子高級中學(中山女高)の様子

台北市立中山女子高級中學(中山女高)の様子

 過去2年、高校生の第二外国語の日本語の朗読・スピーチコンテストの様子を紹介してきました。今回は、趣向を変え、学校の許可を頂き、台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)と中山女高の校内のコンテスト、台北市のコンテストの様子を見せていただきました。

 まずは、学校内のコンテスト。2月27日に行われた北一女のコンテストは、200人以上入る会場を使用しているのが特徴。前列には審査員の先生たちだけでなく、今回は楊世瑞校長も座り、コンテスト参加者の生徒たちを見詰めました。

 後列には参加者だけでなく、第二外国語で日本語を履修している1年生が集まり、その様子を見詰めました。


入賞者に渡された副賞のお菓子

入賞者に渡された副賞のお菓子

 3月6日午後にスピーチ、同7日午前に朗読のコンテストを行ったのは、中山女高。北一女と違い、1枚目の写真のように教室を使用し、中には審査員の先生、参加者、担当の先生、運営補助の生徒だけで行いました。

 どちらも、台北市のコンテストに近いルールで行われますが、違うのは朗読コンテストで用意された原稿の数。北一女は初級用の甲組と中上級用の乙組の原稿は昨年の台北市のコンテストで用いた5編の原稿をそのまま使いますが、中山女高ではそのうち3編を選んで使っていました。
 


台北市のコンテストの会場前より

台北市のコンテストの会場前より

 台北市のコンテストは、4月11日午前に台北市立建國高級中學の「夢紅樓」という図書館、視聴覚教室、小講堂などを備えた新しい建物で行われ、会場前には、参加者、引率の先生とみられる方が多く集まっていました。

 受付を見ると、8:40までに朗読コンテストの甲組は全員が手続きを完了して会場に入っていましたが、その要因とみられるのが、用意された原稿の難易度。

 3月16日に発表されましたが、その原稿を見てびっくり。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」、芥川龍之介の「或阿呆の一生」、中島敦の「山月記」、島崎藤村の「破戒」、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」の5編で、現代文表記ではなく、発表当時の原稿のまま。

 過去最高レベルと言える難易度になっていて、「早く会場入りして備えていたのかな」と思いました。


スピーチコンテストの会場の入り口

スピーチコンテストの会場の入り口

 私は、その朗読コンテストが気になり、同時中継を行っている教室に入ってその様子を見詰めました。

 しかし、回線などのトラブルで半分近く見ることができず、さらには入賞者発表の時に画面が止まってしまい、教室にいた人たちから不満の声が上がっていました。


朗読コンテストの会場

朗読コンテストの会場

 その後、コンテストを担当した先生のおかげで参加者全員の朗読の様子を見ることができましたが、それを見てまたびっくり。

 参加者同士で差が出るのは仕方がないとして、上位入賞者の朗読を見ていると、旧仮名遣いも間違えることなく、しっかり読めていて、入念に準備できていることが伺えました。

 自分の出番の5分前にならないと朗読の原稿は決まらず、自身で用意した原稿は使用できないことから、「読めない人が続出する」と思っていたのですが、予想以上に読める人が多かったです。

 帰りの道中、偶然会った朗読コンテストで入賞した生徒(1年生)に少しだけ話を聞きました。「原稿が難しく、準備が大変だったと思いますが、いかがでしたか?」と聞いたら、「覚えちゃったらどうってことない」とサラッと返ってきました。

 今の高校生たちは、こちらが思っている以上にたくましく、しっかりしているようで…。


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