新見市のわが家に毎年春、必ずやって来るお客さまがいます。ツバメです。

4月後半
　わが家は毎年ツバメに選ばれる優良物件。今年もツバメくんのお眼鏡にかない、4月後半からツバメの巣作りが始まりました。巣は、泥や枯れ草に唾液を混ぜて、固めて作られます。ツバメくんは祖父が築いた土台の上に、1週間くらいかけてマイホームを完成させます。新居と同時にお嫁さん探しもスタート。

4月下旬
　ツバメの花嫁は旦那が作ってくれたマイホームに入居。ツバメくんは自分で巣を作ったにもかかわらず、マイホームには入居せず、外で悪い奴が来ないか見守っています。

5月20日
　母から、ツバメの赤ちゃんが3匹生まれた！と速報。母がそぉっとはしごにのって写真を撮ろうとしたところ、近くにいたお父さんが危険を察知、ピィピィ家族の危険を守るべく鳴いて、子どもたちは一切鳴きもせず、じっと巣に頭をうずめていたということです。

　はるばる遠くからやって来て、安全な場所を探し、黙々と自分のマイホームを建て、家族を築き、家族のために食べ物を取ってきたり、家族を守るために必死で働くツバメくん。

　誰から指示されるわけでもなく、誰から家の建て方を教わったわけでもなく、頑張ったからといって給料がもらえるわけでもない。褒められるわけでもない。でも必死に生きています。

　母は、私に向かってこう言います。「あんたもちょっとはツバメをみならないなさい」

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