メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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  メキシコでは古くから「荘園」と呼ばれる大きなお屋敷が各地郊外に多く点在しています。敷地の中に一軒の口の字型に作られた母屋があり、その中に家主家族の居住部分、使用人達の居住部分、大きな所ではその中に小さな聖堂もあって家族の宗教行事には客人がたくさん招待されてそこでミサなどが行われていました。もちろん、家具や建具も手の込んだ作りのものもあり、なかなか落ち着いた雰囲気の立派な建物です。

 ですが現代になり、家族は少しずつ都会に出て荘園を継ぐものが居なくなったり、時代の変化によって建て替えるようになり、建物に使われていたあらゆるものがアンティーク業者に買い取られるようになりました。


その買い取り方も大胆。

 業者は荘園がありそうな地区を周り、改築予定がある場所を見つけ、中にあるものを丸ごと査定、買取をする、というシステム。

 持ち主である住人達にとってはただの古い家、古いドア、納屋に放り込まれて何十年という忘れ去られた家財道具も、アンティーク業者にとっては宝の山。馬屋に吊るされたまま数十年の蹄鉄や、ひいお爺さんの代に使われていた重くて頑丈なスーツケース、ギシギシと音を立てる重厚な木の扉、何でもかんでも引き取っていきます。

 それを、民芸品や家具、陶器やガラス細工で有名な街に運んできては、インテリア雑貨を探す一般客や買付業者の目に触れさせるわけです。


軽く100年は経っていそうなトランク

軽く100年は経っていそうなトランク

 どんな家族がどのように使っていたのか想像力が膨らむ木の椅子、パトラッシュが運んでいたようなミルク缶、足踏みミシン、とうもろこしを挽く石で出来た台ペタテ。特に何も加工せずに販売する業者や、古いドアなどをテーブルに仕立て直して売る業者など、スタイルは様々。


現役で使っている場所もまだまだあるミルク缶

現役で使っている場所もまだまだあるミルク缶

 商品の種類も星の数ほど、値段もピンキリ。ですが店の隅々まで積み上げられたアンティークの家具などをじっくり時間をかけてみるのも楽しいひと時です。


古いドアを再利用したテーブル

古いドアを再利用したテーブル


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