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スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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中国便運休の継続に関するお知らせ(画像はスイス航空のもの)

中国便運休の継続に関するお知らせ(画像はスイス航空のもの)

 今年の1月に、中国湖北省武漢市で新型コロナウィルス感染による肺炎が明らかになってから、感染が湖北省から中国全土へ、そして世界へと広がっており、今も感染者や亡くなる方の数字が増えていく一方で、心配しています。

 現在のところスイスでは、新型コロナウィルスによる患者はまだ出ていませんが、このウィルスの脅威が全世界的に大きなニュースになった1月末頃には、スイス国内の薬局やスーパーマーケットも、マスクがすべて品切れという状態になり、在庫がない状況になっています。
 スイスで一番大きい都市であるチューリッヒのある薬局では、6日間の間で2万4千個のマスクが、あっという間に売り切れたそう。

 いつマスクが入荷するか分からない状態なので、薬局では手の消毒液をお客さんたちに勧めているのだとか。この時期にアジアや他の国へ旅行へ出かける予定でいた人は、「旅行に行くのにマスクがないと不安」「タイに旅行する予定だったけど、新型コロナウィルスが怖いのでキャンセルした」という話を周りで耳にします。
 そして、一時的に中国へのフライトを停止している欧州の航空会社が多いため、いつもならスイスの観光地で多く見かける中国からの観光客も、あまり見かけない気がします。

 去る2月2日には、5人のスイス人含め、30カ国の国籍の人たちが武漢から避難し、フランスの空軍基地へ到着。検疫を受けた後は2週間隔離されて、様子をみるとのこと。


スイスでも、全国の薬局からマスクが品切れ続出

スイスでも、全国の薬局からマスクが品切れ続出

 新型コロナウィルスの感染者が中国や各地で増えるにつれ、比例して増えだしたのが「東洋人に対する差別や中傷」でしょうか。
 もともとは対中国人に対する差別だったのが、ヨーロッパ人の目には東洋人がすべて同じに見えるのか、東洋風の顔だちの人に向けて暴言を投げかけたり、ひどい時は暴力などの被害に遭う東洋人もいるそうです。まるですべての東洋人はコロナウィルス保有者のような扱いです。
 
 スイスでは、そこまであからさまな差別は多くないようですが、先日読んだ新聞では、駅の構内で数人から「コロナウィルスだ!」と指を差されたり、学校でクラスメートに「こっちに近寄るな」とイジメの対象になったり、といったこともあり問題になっています。
 そんなこともあり、知人が勤める企業のように『新型コロナウィルスにより、東洋人が差別されるケースがあるので、そういう言動をしないように』といった社内メールで注意喚起をする所もあるよう。

 私自身が「コロナウィルスの影響だな」と思ったのは、隣町の百貨店へ出かけた際に洗面所へ行ったら、そこにいた女性たちが蜘蛛の子を散らすように、さっと私を避けて出ていったことでしょうか(苦笑)。おかげでゆっくりお手洗いを使用することができましたが、避けられるのは仕方がないかな、と心では思いつつ、それでも不快な気持ちは否めませんでした。

 その後、我が家の近くの中華料理店の前を通りかかったら、開店休業のようにガラガラにすいているようでした。おそらく新型コロナウィルスの影響でしょう。料理の材料はすべて中国から来ていて、感染した食材で料理していると、誤解する人が多いのだと思います。

 新型コロナウィルスはもちろん怖いですが、それよりも東洋人に対する無差別行為や、人々が持つ不安による集団ヒステリー、まるで事実かのように広がっていく数々の誤情報は、もっと怖い気がします。

 一日も早く、コロナウィルスが終息してくれるとよいな、と祈る毎日です。





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