スイス

スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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スイス政府による、『新型コロナ』予防対策ポスター

スイス政府による、『新型コロナ』予防対策ポスター

 中国や日本などアジア地域で広がった新型コロナウィルスを、対岸の火事のように最初は見ていたヨーロッパでしたが、北イタリアで爆発的に感染者が増えてから、あっという間に欧州全土にも新型コロナが広がっています。

 スイスもその例外ではなく、2020年2月25日に初めてスイス国内で新型コロナ感染者を確認しました。ちょうどその頃学校が中間休みのところも多く、休暇などで北イタリアを訪れているヨーロッパ人が多かったのも災いしたようです。


いつもは海外からの観光客でにぎやかな通りも、閑散としています

いつもは海外からの観光客でにぎやかな通りも、閑散としています

 その後、あれよあれよとスイス国内で感染者が増えてしまい、1563人の新型コロナウィルス感染者が出て、亡くなられた方も10人を超えています(スイス連邦公衆衛生総局発表による。スイス時間2020年3月15日13時15分現在)。毎日数百人単位で感染者数が増えていくので、今後さらにどれだけ広がっていくのか、予想がつきにくいです。


レストランの入り口には、コロナ感染予防ポスターが貼られ、消毒液も置かれていました

レストランの入り口には、コロナ感染予防ポスターが貼られ、消毒液も置かれていました

 こうして新型コロナ感染者が急増している状況から、スイス政府は全国の学校を3月16日から3週間一斉休校とすることに決めました。それよりも前に、既に学校閉鎖を決めている地域もあり、例えば筆者の在住するフリブール州では、3月16日~4月30日までの1か月半の間、一斉休校することを決定しました。

 突然の長い“春休み”に大喜びする子どもたちもいる中、共働きをしている家庭では「日中誰に子どもたちの面倒をみてもらえばよいのか」と頭を悩ませ、まさに日本と同じ問題を抱えることに…。


パスタコーナーは、米や缶詰同様品薄気味

パスタコーナーは、米や缶詰同様品薄気味

 さらに100人以上が集まるイベントや集会等も、4月30日までは控えることとなりました。地域によっては、さらに厳しく50人以上が集まることは禁止、としているところも。これはレストランや劇場、映画館、博物館、スキー場など、あらゆる場所が対象となります。

 できるだけテレワークなど在宅勤務をするように、とか交通機関は極力使わないように、というスイス政府の助言もありますが、これはそうしたくとも叶わない人も多そうです。

 そのため、各バス会社は、スタッフである運転手が乗客からの新型コロナに感染しないよう、乗客の乗降を後部ドアからのみにする(体の不自由な人を除く)としたり、医療機関でも、お見舞いなどは一人の患者につき二人までなどの制限を設けることで、医療機関内で働くスタッフの感染を防ぐ試みをしているようです。


週末のお昼頃に買い物へ行ったら、肉商品も売れ切れていました

週末のお昼頃に買い物へ行ったら、肉商品も売れ切れていました

 人々はどういう気持ちで日々過ごしているのでしょうか。
筆者の周りでは「心配すぎてビタミンを十分摂ったり、マスクをしたりしている」と話す人、逆に「何とかなるでしょう」とあまり気にしていない人と様々。

 上記の人たちの声を表すように、町へ買い物へ行けば、心配した人たちがスーパーマーケットへ押し寄せ、缶詰やパスタ、米、水などを大量購入していたり、かと思えば町の小さなビストロ風レストランで、多くの人々が狭い空間で満席の中、食事を楽しんでいるのを見かけたりと、極度に不安に感じている人と楽観的な人が同時に存在、という印象でした。

 予防対策をできる限り行い、あとはパニックに陥らず、普通に生活をするのが肝要なのかもしれません。


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