感染症に火災 児童劇団の悲劇
2020.06.25 up
ファイアーダンスを交えた演劇(2019年9月29日撮影)
高雄市の韓國瑜市長のリコール投票の当日、新北市八里にある劇団の作業施設で火災が発生しました。その劇団は「紙風車」と言い、1992年から児童向けの劇を中心に台湾各地で公演を重ねてきたところです。
この劇団を初めて知ったのは、昨年9月のことでした。
台北市第一区(士林北部、北投地区の台北市北部)選出の呉思瑤(ウー・スーヤオ)立法委員の選挙活動の一環で、台北市立北投國民小學の運動場で近隣の住民を対象にした劇の鑑賞会を行う、ということで、見に行ったのがきっかけです。
そこで、上の写真のファイアーダンスを交えた劇を雨が降る中、鑑賞したことで、台湾の立法委員の選挙活動に興味を持ち、継続してその様子を見るようになり、紙風車劇団の公演を観る機会も増えていきました。
公演中の風景(2019年10月26日撮影)
昨年10月26日は、台北市立石牌國民中學の運動場で公演。
幸い、天候には恵まれ、多くの来場者が訪れました。
この日は、大型の装置を使った演劇を披露しました。
もう一つ、紙風車劇団の魅力は…
魚の大型バルーンを使った遊び
客席と一体になって盛り上げる遊び。
魚の大型バルーンを使って、客席の前から後ろへ往復させるゲームで保護者と一緒に来ていた子供たちも楽しませ、終了後は、キャストが記念撮影やサインに応じていました。
舞台全景、後方は台北市立大學の体育館(2019年12月14日撮影)
選挙まで1ヶ月を切った12月14日は天母運動公園。
強風が吹き、冬用のコートでもちょうどいいくらいの体感温度の中での開催でした。
公演の内容は同じでしたが、来場者は10月の時よりも増え、雰囲気も選挙を意識した感じのものになりました。
劇に加わり、盛り上げる呉思瑤立法委員(左)
劇中、紙風車劇団と共同で企画した呉思瑤立法委員もキャストとして加わり、盛り上げる姿もありました。
選挙活動の一環としての側面もあるので、候補者が自分のPRをすることもできなくはないのですが、ここでは一切ありませんでした(注:別の選挙区の他の候補者でやっていた方を見かけました)。また、そうした姿勢に好感が持てました。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、6月までの公演中止が決定。チケットセールスによる収入がゼロになりました。
加えて、6月6日の作業施設での火災。火災による損失は、およそ5000万元(約1億8500万円)と言われ、劇団にとってこれ以上ない試練が訪れました。
児童劇がメインの紙風車劇団ですが、劇団を運営する基金会は、他にも成人向けの緑光劇団も運営していますが、こちらも感染拡大と火災の影響を受けています。
基金会はこの状況を黙って見ているわけではなく、火災発生後もホームページやfacebookで寄付などを呼びかけたり、次の活動へ向けての準備を始めています。
緑光劇団は6月25日の夜、総統府前の凱逹格蘭大道の特設ステージで、中華文化總會が主催する文化活動のプログラムの一つとして特別公演を行うことになっています。
紙風車劇団も公演に向けて稽古を行っています。
感染拡大と火災の困難からどのように立ち直るでしょうか。
【参考】
http://japan.cna.com.tw/search/202006060007.aspx?q=紙風車
http://www.paperwindmill.com.tw/paper/
https://www.businessweekly.com.tw/business/blog/3002324?utm_source=Line&utm_medium=social&utm_content=bw&utm_campaign=content
http://www.greenray.org.tw/main/index.php
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