「後疫情時代」の国際交流
2021.01.16 up
オンライン交流会場の全景
過去に何度も高校生の国際交流の様子を紹介してきました。
海外の修学旅行、教育旅行の行き先で、台湾の人気が上がってきたことを象徴するかのように、多くの制服姿の高校生たちを台北市内で見かけました。
それも昨年の新型コロナウイルスの感染拡大で一気に変わり、制服姿の日本の高校生はおろか、日本人観光客を見かけることもなくなりました。
交流活動も続々と中止になり、厳格な感染症対策が学校でも取られるようになり、私自身、これまでのように連絡をとって訪問することができなくなりました。昨年4月下旬から感染拡大が抑えられつつあったことから、8月からの新学期から徐々に緩めていき、多少制限はありますが、訪問できるようになりました。
その流れもあり、今回は学校の許可をいただき、オンラインの交流活動の様子を見せていただけることになりましたので、その様子を紹介します。
準備したプレゼンテーションファイルを見つめる接客担当の生徒
以前も紹介していますが、台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)は埼玉県立浦和第一女子高等学校(以下、浦和一女)と姉妹校関係にあり、2016年から毎年12月に修学旅行の生徒が訪問し、交流活動を行ってきました。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で予定されていた修学旅行が中止になったことで、オンラインによる交流活動を昨年12月22日の午後に行うことになりました。
北一女の生徒は23人が参加し、2~3人のグループに別れてディスカッションするというものでしたが、様子を見ていて、困ったことが起きました。
浦和一女の生徒にも紹介された北一女の癒しキャラ兼居候
北一女の学校紹介からディスカッション、続いて浦和一女の学校紹介という流れだったのは、後ろからパソコンの画面を見ていて分かったのですが、日本側の声が画面を見ている当事者しか分からず、外で様子を見ている私には全く聞こえてこず、具体的なことが全然つかめない状態に陥りました。
以前、台湾のニュースで見た他校のオンライン交流活動の様子から、大きい画面と空間全体を使うものをイメージしていたのですが、パソコンの画面に静かに向かい合うもので、議論の詳しい内容や浦和一女側の様子がほとんど見えてこなかったので、交流活動に参加していた生徒たちに聞くしかありませんでした。
浦和一女側から紹介されたとみられる日本の感染症対策紹介の画面
ディスカッションのテーマは「Covid-19による生活様式の変化と適応法」。
双方英語を用いていましたが、気になったのは浦和一女側の生徒代表の様子。過去に英語表現が思うように出てこず、困っている姿を何度も見かけていたので、この交流活動でも同様のことが起きるのではないかと見ていましたが、北一女の生徒によると、そんなことは全くなく、ディスカッションも交流も楽しく進んで、あっという間だったそうです。
途中、回線不良からか、日本側からの音声が全く聞こえてこないことも何度かありましたが、全体を通して英語によるコミュニケーションの問題は起こらず、順調に進んでいった印象でした。
浦和一女からの学校紹介
最後は浦和一女の学校紹介で締めくくりましたが、パソコンの画面の中で粛々と進み、その間ずっと音声がなく静かだったので、猛烈な寂しさを感じずにいられませんでした。本来なら多くの生徒たちが集り、にぎやかな雰囲気に包まれながら披露できる喜び(中には『思うようにできなかった悔しさ』もありますが)があふれるのですが、そんな期待とは無縁のオンライン国際交流となりました。
他校の関係者と話を聞いている限りですが、現状どこの学校もこのような交流になっているようです。今後、「後疫情時代(日本だと『ウィズコロナ、アフターコロナ』という感じの言葉)」の国際交流の新たな形として、しばらく続きそうな予感です。
【参考】
https://urawaichijo-h.spec.ed.jp/ichijo/blogs/blog_entries/view/132/db1c6cd9cda4167b9e121111cadcf6f0?frame_id=146
http://ichinomiyanishi.sakura.ne.jp/8588/
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202010230006.aspx
https://www.cna.com.tw/news/ahel/202010230059.aspx
http://ichinomiyanishi.sakura.ne.jp/8620/
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