台北国際アニメ・マンガフェイスティバルの感染症対策
2021.03.07 up
手洗い場と呼びかけのボード
台北国際アニメ・マンガフェスティバルは、桃園市の病院での集団感染を受けて中止を決める主催者や団体が多い中、開催に踏み切りました。行政や自治体などの助言を仰ぎながら、どうにか開催までこぎ着けましたが、10万人単位で人が集まるイベントだけに、開催を不安視する声がfacebookのサイトに寄せられていました。
その中で、どのような対策を取ったのか。
まず、台北国際ゲームショー同様、手洗い場を設け、ハンドソープも備え付け、いつでも手を洗えるよう、配慮がなされていました。
QRコードでスキャンした登録画面より
入場の際の実名登録は必須で、氏名、電話番号の他、半年以内の出入国を確認する項目が加わりました。登録を確認後、手の消毒と検温を経てから、入場となりますが、入場制限は6000人。
外で長い列を作って入場を待っている人を見かけました。
ブースに並ぶ人たち(左半分)と壁にもたれ、座り込んでいる人たち(右半分)
場内に入ったら、飲食禁止、マスクも鼻や口が出ている状態での着用禁止と徹底され、係員がボードを持って巡回していました。
このイベントで必ず出てくるのが、会場の通路に座り込んで休んでいる人たち。来場者の通行と商品の搬送の妨げになるだけでなく、災害時の避難に影響を与えるため、2階の展示場に休憩用のスペースを設けているのですが、それでも会場の通路に壁にもたれながら座り込み、買ったものを整理したり、スマホのゲームアプリに明け暮れたり、と自分のことに集中している感じです。
今回は、感染症対策でソーシャルディスタンスを保つ視点からも係員だけでなくゴミの収集員も、座り込まず、2階の休憩スペースに向かうよう呼びかけていました。呼びかけの効果は出ていて、座り込む人は少しずつ減っていきました。
企画していた作家の交流会も中止
各ブースも自主的に感染症対策を行い、手の消毒、検温以外にも、ブースの入場者数を制限しているところもありました。分かっている範囲で「美少女戦士セーラームーン」、「聖闘士星矢」、「名探偵コナン」などの販売を手がける青文出版社はスタッフを含む50人、「鬼滅の刃」など人気作品のキャラクターグッズを扱う木棉花は100人を目処に、20人前後までいれる対応をしていました。
特設ステージで作家のサイン会を行なったところもあり、様子を見ていましたが、作家がサインしたものを壇上の係員が受け取り、それをステージの階段前で待っている参加者に渡すという形に変わっていました。そして、サインをする作家の周りにはアクリル板の仕切りが設けられ、サインの受け渡しを行うスタッフの手には使い捨てのゴム手袋。
正直、「ここまでやらないとサイン会もできないのか」と驚きました。
転スラ(『転生したらスライムだった件』の略称)福袋1000元(約3787円)!
ソーシャルディスタンスを保つ工夫として、仕切りのテープに注意書きを加えたり、標語を添えるところもありました。
主催者は「マスクはしっかりつけましょう!」といった呼びかけですが、木棉花は手書きの標語を並べていました。「マスクはしっかりつけましょう!」の他、「転スラ福袋1000元!」、「ごちうさ(『ご注文はうさぎですか?』の略称)福袋800元、お求めはお早めに!」など、自社の商品PRも書き込み、並んでいる人たちを極力飽きさせないよう、工夫していました。
同じ時期に開催されていた高校バスケHBLの対策は、この上を行く厳格さでしたが、その様子は改めて紹介したいと思います。
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