行列ができる日本でおなじみのドン・キホーテ台湾1号店
2021.03.18 up
ドン・キホーテの台湾1号店「DON DON DONKI」
ご存知の方も多いと思いますが、日本全国で総合ディカウントストアを展開するドン・キホーテが1月19日に台北市の西門町に1号店(西門店)をオープンしました。日本の「ドン・キホーテ」の音からくる「唐吉訶徳」ではなく、「DON DON DONKI」の名称となっています。
ずいぶん前から噂が出ていましたが、開店前の数カ月前に求人広告が出たことから、注目を集め、開店当初はかつての一蘭ラーメンの台北1号店のオープン時の行列に匹敵する長い列ができました。さすがにこのようなニュースを見ると、「落ち着いてから行こう」という気持ちになり、しばらく様子を見ていました。
2月下旬に入り、「長い時間並ばなくても中に入れる」という声が聞かれたので、様子を見に行きました。
店内にあった撮影用のドンペンのぬいぐるみ
私がはじめて行った2月26日は朝から雨。
空も暗く、外出には向かない感じの天候でした。
加えて翌27日からの3連休の前日だったからでしょうか。入口前に列はできておらず、そのまま入ることができました。
スタッフによる手の消毒の後に中へ入りますが、中は感染症対策で人数が制限されている(長い列ができる原因の一つ)だけでなく、動線がしっかり固定されています。そのため、入ったら最上階の3階へ行き、そこから下へ降りていく感じで進んでいきます。しかし、3階へ上がる際、エスカレーターは停止した状態にあり、それを登らないといけませんでした。ある日、2階から3階へ向かう上りのエスカレーターは動いていましたが、現時点では基本的にエスカレーターは動かさないようにしているようです。
出口前にある屋台街エリア
3階へ到着してすぐ迎えてくれるのは、大きなドンペンのぬいぐるみ。多くの人がここで記念撮影を行っていました。
売場に入ると、日本から輸入したと思われる商品の山、山、山。中には日本のブランドで、台湾で製造したものもあるのですが、とにかく日本のものが並べられていて、そこに埋もれるような感覚になりました。
3階は化粧品、日常生活、玩具、お菓子などが置かれ、2階は生鮮食品、食料品、酒類などの飲み物、1階は販促品が中心の売場構成でした。
試食したカレーコロッケ(左)とdondon焼き(右)
レジは1階の出口付近にあり、多くの来客を見越してか、たくさん設置していました。建物の外にもレジが設けられていたのですが、こちらは来客の状況を見越して撤去できるような簡素な作りになっていました。
レジを抜けると見えるのは日本の屋台コーナー。串焼き、おでん、焼き芋、りんご飴などが売られていて、こちらも長い列ができていました。
私は、上の写真のカレーコロッケ(35元、約135円)、dondon焼き(39元、約150円)の他、おでんのはんぺんとソーセージ(どちらも20元、約77円)を試食しました。いずれも日本の味を忠実に再現している感があり、食べていて懐かしさがこみ上げてくるほどでした。
おでんは、台湾では「関東煮」と称され、コンビニでも売られていますが、DON DON DONKIでは「関西煮」の表記。「関西」とうたっていることもあってか、だし汁はアップルジュースのような透き通るような見た目でも、濃厚なダシが出ており、はんぺんにも味がしっかりしみていました。日本人の味覚に合うような濃い味は、台湾人には合わない傾向があり、日本のラーメン店で水を入れて味を薄める光景が見られるのですが、その必要もないくらい日本人と台湾人の味覚を満足させられるくらいだったように感じました。
営業時間は午前10時から午後10時。小腹がすいた時に、ちょっと寄り道して、買ってみるのにはぴったりの屋台街です。
カツ丼(左)とおにぎり(右)
2階の生鮮食品のコーナーを回っていて、揚げ物と弁当に目が移ってしまい、どうしても試食したくなって、購入したのが上の写真のカツ丼(119元、約460円)とおにぎり(45元、約173円)。こちらは忠実に日本の味を再現している感があり、食べ応えもある感じでしたが、カツ丼の119元は自宅近くの食堂にあるカツ丼と同価格なので、わざわざ「買って食べようか」とはなりにくいものでもありました。
おにぎりもコンビニで売られているものでも、最高価格帯は42元(約162円)であることを考えると、割高感を強く感じるものでした。
後日、唐揚げも購入して試食しました。
外見こそ日本の唐揚げですが、味は台湾人に合わせた感じのものでした。
振り返ると、全体的に日本からの輸入品が多いため、価格が他の台湾のお店と比べて高い印象を受けました。ただ、今は新型コロナウイルスの感染拡大による入境規制が日台双方で実施されているため、「日本」に飢えた人たちの購買意欲のほうが勝り、それが「行列ができるDON DON DONKI」につながっているのかもしれません。ホームシックになり、日本のものが恋しくなった人たちにオススメしたいところです。
ただ、生鮮食品、特におにぎりやお弁当を扱うコーナーが2階に設置されているのは、お店の人たちにとって不本意だったように思いました。
出口前に屋台街を設けているので、本来なら1階に設置し、お店の周辺から昼食を買いに来る人たちが気軽に来られるようにしたかったのでは…とも思いました。今の状況では気軽に弁当を買いに行くどころか、中に入るだけでも時間がかかるので、昼休みが弁当を買うだけでなくなってしまうように見え、その意味でも不本意だったように映りました。
今後、どのような店舗展開になるか分かりませんが、西門店が軌道に乗ってきたら、日本人が多い台北市の天母エリア、郊外型の独立した店舗を構えやすい新北市の出店も期待したいです。
【蛇足】
生鮮食品コーナーで売られている野菜の表示が「北海道縣産」となっていました。
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