感染拡大 台北市と新北市に漂う緊張
2021.05.19 up
台北市内にあるカルフールの入口(5月15日)
すでにご存知の方も多いと思いますが、先週の火曜日から台湾での新型コロナウイルスの感染確認者が急増しています。
市中感染者(以下、カッコ内は感染確認者の総数)が、5月10日3人(15人)、11日7人(11人)、12日16人(21人)、13日13人(25人)、14日29人(34人)と増加していきました。
これを受け、11日から6月8日まで警戒レベルを第二級に引き上げ、屋外500人以上、屋内100人以上の集会、イベントは原則禁止、鉄道・新幹線での車内での飲食禁止などを定めた6項目の徹底を発表しました。
しかし、15日に180人(185人)、16日206人(207人)、17日333人(335人)と一気に増加したことで、特に感染確認者が多い台北市(15日89人)と新北市(15日75人)では、15日から28日まで警戒レベルが上から2番目の第三級に上がり、屋外10人、屋内5人以上の集会・活動の禁止など、さらに厳格な措置を取りました。
17日午前には、台北市の柯文哲市長、新北市の候友宜市長がほぼ同時に会見を開き、高校以下の学校を18~28日まで休校することを発表しました。前日の16日には、中学、高校3年生の翌17日から6月の卒業式当日までの出校停止を発表していました。
そして、18日には全台湾の学校、幼稚園を19~28日まで休校することを発表しました。
入店の際は実名登録、手の消毒
私も生活への影響を見越し、15日に台北市内へ行き速やかに用事を済ませた際、見かけたものが1枚目の写真。
15日の2時台に撮影したものですが、中に入るための1時間以上かかる長い列ができていました。加えて、入口では実名登録、マスク着用が求められ、中に入ればティッシュ、インスタント麺、缶詰などの食料品、ミネラルウォーターの棚はほぼ空、レジも1時間以上待ちだったそうです。
1年前見た買い占めの光景になっていました。
2枚目は、朝食と昼食を提供するお店の入口で見つけたもので、名前の登録と手の消毒を呼びかけているだけでなく、中での食事を禁止する旨が書かれています。
11日以降、店の規模に関係なく実名登録、手の消毒、マスク着用が徹底され、中で食事ができなくなり、お持ち帰りのみ対応のところが多くなりました。
ジムのシャッターに貼られた休業のお知らせ
警戒レベルが第三級になり、スポーツセンター、カラオケ店などレジャー、娯楽施設の閉鎖が求められました。偶然通りかかったジムでは、休業を告げる張り紙があり、寂しさを漂わせていました。
他にも、図書館が28日まで閉鎖、同時に返却用のポストも使用停止になるため、返却期限を30日延長、5月31日期限の確定申告も6月30日まで延期(注:15日に第三級になったことで、28日まで税務署は閉鎖)などあり、影響が出ています。
接触確認アプリの画面
衛生福利部・中央疾病署も、先週から接触確認アプリのダウンロードを呼びかけるようになりました。
【参考】
https://twitter.com/MOHW_Taiwan/status/1393104500475404288?s=20
私も早速ダウンロードし、使用を開始して数日経ちました。
夜の在宅中(いつも8時前後)に、1日トータルの接触状況の報告が上がってくるようになりましたが、詳しい使い勝手まではまだ掴めていません。
ただ、常にアップデートしておいた方が良さそうなので、注意するとしたら、その辺りでしょうか。
*以下、在住者向け
・iOS版
https://apple.co/2PqEPek
・Andrord版
https://bit.ly/3aGjrZY
17日午前9時台のMRT淡水駅
15日の警戒レベル第三級引き上げで、台北市の繁華街からは人が消えました。
私が15日の午後MRTに乗車した際は、気持ち乗車率が低くなったように見え、空席も目立ちました。特に板南線の板橋駅(注:板橋區は新北市で人口が一番多い)から市政府駅(注:信義區で商業の中心地になっているところ)の間は、いつも混雑していて、乗車する人も多く、なかなか座れないのですが、15日の午後は余裕で座れるくらいでした。
淡水は、日本人にもお馴染みの観光スポットで、平日でも人の往来は少なくないのですが、17日午前9時台にMRT淡水駅を遠くから見た限りでは、人が減っている印象を受けました。
次に予想される展開は、警戒レベルを最高の第四級へ引き上げ。
基準は、14日以内の平均感染確認者数が1日あたり100人を超え、その半分以上が感染経路不明となっている場合で、必要に応じて感染拡大が目立つ地域のロックダウンを行い、住民の外出を制限・管理することも可能になる、というものです。
今後どのような状況になるか、静観していきたいと思います。
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